コロナ禍2回目の年末を迎えようとしています。一時期「コロナ離婚」という言葉も流行りましたが、厚生労働省の「令和2年(2020)人口動態統計月報年計(概数)の概況」によると、2020年の離婚件数は19万3251組で前年より1万5245組の減少でした。
2020年は婚姻件数・離婚件数ともに減少へ。コロナの影響で結婚や離婚どころではないというケースもあるでしょう。また、経済的な理由で離婚に踏み切れない方やコロナの影響により調停の期日が伸びた方もいると考えられます。
いざ離婚となると、特に女性は手続き面でやるべきことが多く時間もかかります。その中でも忘れがちな「お金」にまつわる部分について、特に確認したい3つをご紹介します。
2年以内に年金分割の手続きを
多くの方に関わる離婚後の手続きとして「年金分割」があります。年金分割は、夫婦の年金の不公平を正す制度。婚姻期間中に築いた財産は「夫婦の共有財産」とされ、離婚時に収入が多いほうの年金を分割します。
対象となるのは20歳以上60歳未満の方が原則加入する国民年金でなく、会社員や公務員などが加入する厚生年金です。自営業やフリーランスの夫の場合は分割できないので注意が必要でしょう。
年金分割には2つの方法があります。
合意分割
対象:婚姻期間中の厚生年金記録(標準報酬月額・標準賞与額)がある。
- 2007年(平成19年)4月1日以後に離婚、もしくは事実婚関係を解消
- 2人の合意もしくは裁判手続きにより、年金分割の割合が定められている
- 請求期限(離婚をした日の翌日から2年)内である
3号分割
対象:国民年金第3号被保険者(※)であった方からの請求により、3号被保険者期間における相手方の厚生年金記録(標準報酬月額・標準賞与額)を2分の1ずつ分割できる。
※第3号被保険者…会社員や公務員など国民年金の第2号被保険者(夫など)に扶養される配偶者の方(20歳以上60歳未満)
- 2008年(平成20年)5月1日以後に離婚、もしくは事実婚関係を解消
- 2008年(平成20年)4月1日以後の国民年金の第3号被保険者期間中の厚生年金記録(標準報酬月額・標準賞与額)がある
- 請求期限(離婚をした日の翌日から2年)内である
どちらも「離婚が成立した日の翌日から2年」という期限があります。年末のこの時期に再度確認し、まだ手続きをしていない方は行いましょう。