マツダ(7261)は2017年3月期の第3四半期累計(2016年4-12月)決算を発表し、2017年3月期の通期業績予想を下方修正した。下方修正は想定内だが、来期からのV字回復シナリオを描き難い。トランプ政権の国境政策も引き続きリスク要因。投信1編集部では、株価に対して「ネガティブ」な印象ととらえている。
決算ハイライト
第3四半期累計実績は、売上高は対前年同期比▲8%減、営業利益が同▲41%減、親会社株主に帰属する四半期純利益が同▲35%減となった。コスト改善効果が拡大したものの、円高の影響を大きく受け、販売苦戦やリコール対応費用等の増加などで大幅減益を強いられた。特に、円安転換が進んだ終わった第3四半期(10-12月期)に収益悪化が一層顕著となっており、数字以上に厳しい印象は拭えない。
この結果を受ける形で、会社側は2017年3月通期予想を下方修正した。営業利益は従来予想1,500億円から1,300億円(対2016年3月期比▲43%減)へ、最終利益も同1,000億円から900億円(同▲33%減)へと減額。第3四半期で極端に悪化した収益は、Q4も改善が遅れる見込みだ。下方修正自体は想定内だが、その内容は芳しくないと言えよう。
ここに注目!
2018年3月期にV字回復が可能かどうかが焦点。円高リスクが大きく低減し、新型SUV「CX-5」の販売好調は期待できるものの、リコール費用などの大幅減少が遅れると難しくなろう。また、トランプ政権による一連のメキシコ国境政策の影響も見え難く、量産開始から未だ3年が経っていないメキシコ工場の稼働に何らかの影響が出るリスクが払拭できない。
LIMO編集部