Q. つみたてNISAで2000万円を準備することは可能なのでしょうか?

つみたてNISAはご存じの方も多いかいと思いますが、毎年最大40万円まで投資が可能でその枠内で運用したものについての売却益などが非課税となるものです。売却しなければ最大20年まで非課税です。これを20年、つまり20回投資をすることができるというのがつみたてNISAの仕組みです。

たとえば、40万円を20年間にわたって、複利5%で運用してみたらどうなるでしょうか。

答えは、40万円も20年後には101万円になります。

これを20回分同じことができたとすると、101万円×20=2020万円、ということになり、2000万円を用意できるということになります。

金融庁もこうした前提をもとに「つみたてNISA」の制度ができたのではないのか、と思えるくらいの同じ水準の金額となります。

ただし、これには前提がある話で、以下のような疑問点も出てくると思います。

  • 複利5%で20年間運用することができる金融商品などあるのか
  • それぞれ、20年目にタイミングよく含み益がある状態で売却できるのか

といったことなどがあげられます。

一つ目の疑問点に関しては、皆さんの年金の一部を運用しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が開示している資料(※編集部注)があるので、そちらを参考にすると、日本株式の期待リターンが年間6%弱、外国株式が7%強なので、株式を長期で投資対象にしていれば、まんざらでもなさそうな前提ということが見えてきます。

二つ目の疑問点に関しては、つみたてNISAは元本保証のない投資信託やETFの品ぞろえとなっていますので、不確実なものといえるでしょう。

【※参考サイト】GPIF「分散投資の意義② 投資のリスクとは」