IHI(7013)は2017年2月1日に2017年3月期第3四半期累計決算を発表。同社は、複数のプロジェクトにおけるトラブルの発生等により同社は第2四半期 まで7四半期連続での業績予想の下方修正を発表してきたが、今回は業績予想が据え置かれた。ただし、受注高が減少していることや「資源・エネルギー・環境」事業での採算悪化が続いているため株価には「中立」な印象だ。
目先は、同社が3%保有するウェスチングハウス(WH:東芝(6502)の米原発子会社)の株式の行方も重要な株価材料になるだろう。
決算ハイライト
第3四半期累計実績は受注高が対前年同期比▲6%減、売上高が同▲2%減、営業利益が同+251%増、親会社株主に帰属する四半期純利益(以下、純利益)が▲92億円の赤字(前年同期は▲343億円の赤字)となった。
セグメント別営業利益は、「資源・エネルギー・環境」は北米での大型案件の工事採算の悪化等によりが赤字拡大。また、「航空・宇宙・防衛」は民間航空エンジンが減収となったことや円高影響により減益となった。一方、「社会基盤・海洋」は前年同期にあったF-LNG関連の損失一巡により、「産業システム・汎用機械」はターボチャージャー等の増収により、それぞれ増益を確保している。
2017年3月期通期予想については据え置かれた。セグメント別営業利益は、プロセスプラントの採算悪化により「資源・エネルギー・環境」が下方修正された一方で、コスト削減効果で「産業システム・汎用機械」が、また、円安影響により「航空・宇宙・防衛」が、それぞれ上方修正されている。
ここに注目!
投信1編集部では、プロジェクト遂行体制の強化やポートフォリオマネージメントの強化により持続的に収益力を向上できるかに注目。また、同社が保有するWHの株式(3%)の行方も重要。
LIMO編集部