「お金の寿命」も延ばしてあげよう!

現在のシニア世代の貯蓄格差を眺め、他人事とは思えない結果に、ご自身の老後を心配された方も多いのではないでしょうか。

そうは言っても、はたらく世代は目先の教育費と住宅ローンの支払いで、「老後のことまで頭と手が回らない!」となりがちです。また、超低金利が続くいま、銀行などの預貯金だけで、資産を増やしていくことは難しいといえるでしょう。

そんな方が効率的に貯蓄を進めるためには、「お金にはたらいてもらうこと=資産運用」の活用を視野に入れるとよさそうです。少額からコツコツ老後資金を貯めながら、育てていく視点を持ってみるとよいかもしれません。

「人生100年時代」、資産運用によって「お金の寿命」を延ばす工夫が求められる時代です。

最近注目が集まっている資産運用の制度を2つお伝えします。

その1 iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)

iDeCo(イデコ)は「自分で作る年金=私的年金制度」です。

申込み、掛金の拠出、運用まで、すべて自分で自己責任で行います。運用商品は、「元本確保商品(定期預金・保険商品等)」と「投資信託」を選べます。

iDeCoのメリットは、掛金全額が所得控除の対象となり、節税効果が見込めること。

また、通常は20.315%かかる運用益が非課税です。受け取り時は退職所得控除・公的年金等控除の対象になります。こうした税金面でのメリットはもとより、掛金が月額5000円から始められるのも嬉しいポイントですね。

自身の公的年金が足りない方は、私的年金であるiDeCoで不足する部分を補うのも良いでしょう。ただし、原則60歳まで引き出せません。流動性が低い点を考慮して検討しましょう。

その2 つみたてNISA

つみたてNISAは「長期・積立・分散投資」を後押しするための非課税制度です。やはり資産運用はリスクが気になりますね。基本的に、長期間かけて積み立てることでリスクを抑えながら運用していきます。

運用商品は、一定の条件を満たした公募株式投資信託と上場株式投資信託(ETF)から選べます。

年間40万円まで積立てられますが、掛金の所得控除はありません。運用益が20年間非課税(非課税運用額は最大総額800万円)になるのが特徴です。

つみたてNISAの場合、金融機関によっては100円から投資ができます。資産運用ビギナーの方でも始めやすいですね。

また、必要なときに解約ができます。さきほどのiDeCoと比べると、つみたてNISAの方が流動性に優れているといえますね。