独身世帯・夫婦世帯「年金生活は、赤字?黒字?」
では、将来の老後資金との差額を試算してみましょう。ここでは、総務省「家計調査-家計収支編(単身世帯・二人以上世帯)-2020年度」から、夫婦世帯と単身世帯に分けて見ていきます。
65歳以上世帯の「ひと月の消費支出」
男性(単身):13万6923円
女性(単身):13万9417円
二人以上世帯:31万6487円
また、厚生労働省「令和元年簡易生命表の概況」によると、平均寿命は男性:81.41歳、女性:87.45歳です。
これらをもとに、65歳から先に必要となる老後資金を試算してみましょう。夫婦・シングル世帯別に見ていきます。男性は82歳、女性は88歳まで生きた場合を想定します。
【男女別】独身世帯の「老後資金」の収支事情
厚生年金(男性)
- 【(年金16万4770円-消費支出13万6923円)×12ヶ月】×(82歳-65歳)=プラス568万円
厚生年金(女性)
- 【(年金10万3159円-消費支出13万9417円)×12ヶ月】×(88歳-65歳)=マイナス1000万円
【夫婦世帯】年金生活の「老後資金」の収支事情
※88歳から82歳の6年間、女性はシングル世帯として計算
夫婦ともに厚生年金の平均月額を受給する場合
【(夫年金16万4770円+妻年金10万3159円-消費支出31万6487円)×12カ月×(82歳-65歳)】+【(10万3159円-13万9417円)×12カ月×(88歳-82歳)】=マイナス1252万円
この試算を見ると、シングル世帯の「男性」であれば、黒字ですね。年金収入だけで老後を乗り切れそうな感もあります。
とはいえ、この「生活費」の内訳には、シニア世代が忘れてはならない「介護費用」が含まれていません。また、持家世帯を前提として住居費は1万円台で計算されています。
有料老人ホームであれば2000万円前後必要となるケースも珍しくありません。よって介護費用も別途準備する必要があります。また、老後も賃貸物件で暮らす予定の方は、家賃分を考慮して準備する心構えも大切ですね。