2021年11月15日に行われた、ネットイヤーグループ株式会社2022年3月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:ネットイヤーグループ株式会社 代表取締役社長 CEO 佐々木裕彦 氏

ご挨拶

佐々木裕彦氏:みなさま、こんにちは。ネットイヤーグループの2022年3月期第2四半期決算説明会にご参加いただき、ありがとうございます。どうぞよろしくお願いします。最初に、ご挨拶をさせていただければと思います。

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昨年度の決算発表時に説明がありましたとおり、今年6月の株主総会をもって前任の石黒よりバトンを引き継ぎました。

簡単に自己紹介しますと、私はネットイヤーグループの創業から事業の立ち上げなど、22年間従事してきました。そして、2008年に上場を経験して現在に至ります。本業の立ち上げから新規事業の立ち上げまでいろいろなことを経験してきましたが、代表としてあらためてネットイヤーグループの次なる成長を牽引していきたいと考えています。

代表取締役の引き継ぎの背景は後ほどご説明しますが、2年半前にNTTデータグループのTOBを受けてNTTグループに参画しました。これにより、この2年間で会社としてはかなり筋肉質な体制になり、業績も回復していきました。

そのような中で、石黒の責任に一区切りついたため、そのバトンを引き継いで第2創業という心意気で次のステージに上がっていきたいと考えています。今後、ネットイヤーグループは私と代表取締役副社長の林田と、二人三脚で経営を進めていきます。よろしくお願いいたします。

ビジョン

私どものビジョンについてです。「ビジネスの未来をデジタルで創る、ビジネスの未来をユーザーと創る。ユーザーエクスペリエンスからすべてが始まる」をビジョンとして掲げています。

これはずいぶん前に定義されたものですが、当時からDX時代の到来を予見していました。「ビジネスの未来をデジタルで創る」というビジョンを掲げつつも、私たちが特に大切にしているのは「ユーザーと創る」「ユーザーエクスペリエンスからすべてが始まる」の部分です。

昨今では、UXやCXなどのキーワードが非常に注目され、一種の流行語のようになっていますが、私どもは22年前の創業時からすでにユーザーエクスペリエンスデザインに取り組み、長きに渡って経験を積んでいます。

私どもが掲げるDXはあくまでもユーザー視点であり、お客さまの目線に立ってデジタルトランスフォーメーションを推進することを社業としています。今後もこのビジョンを推進していきます。

上期ハイライト(4月〜9月)

上期のハイライトについてご紹介します。上期にはハイライトが3つあります。1つ目は、子会社のトライバルメディアハウスの株式を全株譲渡したことです。経営資源を今後の重点成長領域および投資領域に集中させ、成長を加速していきたいと考えています。それに伴い、当期から単体決算に移行します。

2つ目は、DX需要の堅調を受けて、私たちの業績も堅調に推移していることです。3つ目は、Shopifyに代表される新しい分野への取り組みを強化していることです。

第2四半期決算総括

第2四半期の決算総括についてです。売上は14億1,800万円で、前年対比400万円減となりました。当期から収益認識に関する会計基準を適用したことなどにより、前年とほぼ同等の実績になりました。

営業利益は2,800万円で、大幅な増益で上期で黒字化を達成しています。これは、堅調な受注と人員稼働率が非常に高まっていること、コスト削減などの効果によるものです。

当期純利益は4億4,100万円で、前年対比5億8,100万円増となりました。これは子会社の売却益の計上などによるものです。

繰り返しになりますが、今期から当社は単体決算に移行しています。2020年度3月期以前までは連結決算の数値のみを開示していましたが、この資料においては比較のために単体決算の過去数値も記載しています。

決算ハイライト(売上高)

売上について詳細にお話しします。昨年度の営業活動が非常に奏功し受注残が多かったこと、大型の継続案件が続いていることもあり、売上は堅調に推移しています。

先ほどお伝えしたとおり、会計方針が変更されました。収益認識会計基準が適用されたことにより、昨年度までは売上に計上していたライセンス費用・広告売上を純額処理しています。そのため、売上高と売上原価が1億9,700万円相殺されています。

あくまで参考情報ですが、仮に昨年と同じ会計基準で計上した場合には1億9,300万円の増収となっていました。会計基準の変更によって、今期の売上は前年同期並みになったということです。

決算ハイライト(営業利益)

営業利益についてです。繰り返しになりますが、大型の案件を継続受注できている状況です。実は、私どものビジネスモデルの課題として、上期の赤字の常態化がありました。その赤字部分を下期に回収して、通年で黒字になるというビジネスモデルが続いていましたが、今期は第1四半期から継続的に内部稼働が高まり、利益を確保することができました。

これは、ここ2年で組織や収益モデルの改革などの構造的な変化を進めたことによるものです。少しずつ結果として現れてきており、非常によい傾向だと考えています。

営業利益増減分析

営業利益の増減分析についてです。なぜ増えたかについて少しブレイクダウンしてお話しします。私どもはパートナーとの仕事が非常に多く、外注費が一定量あります。しかし、今年は内部のメンバーで仕事を回す取り組みが進んだことにより、外注費が大幅に削減されました。その結果、内部の稼働が上がることによって原価人件費も削減されています。

また、例年、プロジェクトのトラブルによる受注損失引当金が発生しがちでしたが、直近ではプロジェクト品質のコントロールができていますので、引当金も減少傾向にあります。加えて、下期の受注見込みにより仕掛品も積まれました。以上が粗利を向上させた増益要素です。

一方、販管費については、新規事業への積極的な投資、新型コロナウイルス対策、来年に向けた人事制度の刷新などに費用を回すことができました。つまり、闇雲にコストを削減して利益を確保したのではなく、未来への投資も積極的に行いながら、黒字化させることができたと強調しておきます。

決算ハイライト(売上原価)

売上原価についてです。今お伝えしたとおりですが、ご注目いただきたいのは粗利です。粗利率は上期の8.7パーセントから23.8パーセントまで大幅に改善しています。内情としては「これで安泰」とまでは言いませんが、組織やビジネスモデルを少しずつ改善していくことで、よい傾向を見せ始めていると思っています。

決算ハイライト(販管費)

販管費については、対前年で販管費率が上がっています。これは、売上が対前年で微減となったために販管費率が上がったのもあるのですが、実際にはShopify事業や研究開発、そして私たち自身の広告・マーケティング活動に積極的に費用を使っています。そのため、販管費率は増加しています。

決算ハイライト(営業外収益、特別利益、純利益)

営業外収益、特別利益、純利益についてです。子会社のトライバルメディアハウスの売却により、特別利益を6億500万円計上しています。その結果、四半期純利益は4億4,100万円となりました。

貸借対照表

貸借対照表についてです。細かくは言及しませんが、子会社の売却などにより現預金が大幅に増えています。その結果、総資産も対前年で10億円ほど増加しています。以上が決算の概要説明です。

フォーカスする事業領域

事業の状況についてご説明します。現在、中期経営計画の中盤ですので大きく方針は変わっていませんが、その進捗状況をご紹介したいと思います。

スライドに記載したのは、私どもがフォーカスしている事業領域です。デジタルマーケティングは非常に広い市場で、さまざまな視点から市場を分けることができます。例えば、メディアの種類という視点で見ると、一般的には「Paid Media(広告)」「Earned Media(広報)」「Shared Medeia(SNS)」「Owned Media(自社メディア)」の4つに分類されると言われています。

私どもはこれまでトライバルメディアハウスによって広報領域、ソーシャル領域に手を出していました。しかし、今期の売却によって自社メディアの領域にフォーカスすることを決めました。

これから、さまざまな企業が顧客体験価値によるサービス向上を目指していくと考えています。例えば、自動車会社が車を売るのではなく車を貸し出したり、小売業がモノを売るだけではなくサブスプリクションで継続的な利用を促したり、体験型の価値提供がこれから進んでいくでしょう。

体験型の価値提供を進めていく上で非常に重要なのが、自社メディアです。自社メディアによってお客さまと直接接点を持つことで、新たな顧客体験の価値を作り出すことができます。この領域の市場がこれから伸びると考えているため、我々の20年間の経験も踏まえて、資源を注力していこうと思っています。

みなさまもご承知かもしれませんが、マーケットの流れは「cookie」という顧客情報のデータ管理が統制されることもあるため、第三者のデータではなく1st Party Data、いわゆる自社で持っているデータを活用したマーケティングが進んでくるという時代背景もあります。

また、NTTデータの資本提携により、NTTデータ自身も顧客統合基盤の開発、レジレス店舗のような店内を無人化するソリューション、Salesforceのプラットフォームの開発といった自社メディアのインフラを開発するノウハウを持っています。そのような意味でNTTデータとも連携を強化しつつ、私どもは自社メディア領域に注力しつつ事業の成長を考えていきます。

ネットイヤーグループの基本戦略

そのようなフォーカスの中での戦略として、企業にとってのお客さまとの関係性を継続的に強化していくサービスを提供していきます。

私たちはサービスの領域を、顧客体験の変革をする「Design」、顧客体験の変革を行う「Build」、顧客体験の変革を改善する「Improvement」という3領域に分けてサービスを行っています。

「Design」とは、いわゆる上流といわれているコンサルティングを含めた部分です。まず、クライアントとお客さまとの間を結ぶサービスや顧客体験の設計について、コンサルティングワークを行っていきます。そして、描いた顧客体験を元にしながら、実際にWebサイト、アプリ、またはシステムといったものによって具現化していきます。このような部分を「Build」、構築といっています。

そして、私たちは構築だけでサービスが終わるわけではありません。構築した後も、お客さまと継続的に伴走しつつ成果を上げ続け、「Improvement」、改善していくサービスまで行っています。

私たちの基本戦略は「Design」「Build」「Improvement」を循環させ、クライアントと継続的にビジネスをしていくことです。

取り組み状況(1)

そのような戦略に基づいた取り組みについていくつかご紹介します。1つ目は「Shopify」の展開です。みなさまはご承知おきかもしれませんが、「Shopify」はカナダの会社です。世界最大のオンラインストア、SaaS型のECプラットフォームで、世界で170万店舗が出店しているといわれています。

日本における昨年度の実績は、その前の年から比べて取引高が3倍以上、さらに出店者数も2倍以上と、日本においても非常に普及している新しいサービスです。簡単にオンラインストアが開設できる仕組みのため、使い勝手もよく、さまざまなツールが提供されています。

私どもも「Shopify」事業に参画し、構築のご支援、ストア開設のご支援、さらに「Shopify」で使うアプリ開発のご提供、3つ目は「Shopify」を紹介するメディアの運営という3つのビジネスを展開しています。

こちらは私どもの自社メディアの戦略の一環として非常に重要な要素です。自社メディアにおけるオンラインストアは、今後ますます伸びていくことが期待されており、私どももオンラインストアの構築支援をサービスの柱としてしっかり育てていく覚悟です。

さらに「Shopify」において特筆したい、挑戦しているところは、アプリ事業です。iPhoneのアプリをイメージしていただきたいのですが、iPhoneの世界ですと、iOS上にさまざまなアプリが流通しています。

ベンチャー企業から大企業まで、さまざまなアプリがApp Storeで販売されています。そのアプリの利用者が増えれば増えるほど、アプリから収入が得られるモデルがありますが、同じようなビジネスモデルが今「Shopify」の環境でもあるのです。私どもが「Shopify」上で動くアプリを開発し、多くのお店の方に使っていただき、みなさまから課金収入を得る仕組みです。

現在、実際に2つのアプリをリリースしており、この下期も順次アプリをリリースする予定です。このアプリ領域において、私どもはトップランナーの一員としてビジネスを牽引していこうと考えています。

取り組み状況(2)

先ほど「Design」「Build」「Improvement」についてご紹介しましたが、私どもが2つ目の取り組みとして特に注力しているのが「Improvement」領域になります。こちらは継続的に収益を見込めるため、ビジネスによって戦略的にこの割合を増やそうと取り組んでいます。

今日はこのうち2つのサービスをご紹介します。まずは「パフォーマンスオプティマイゼーションサービス」といいます。聞きなれない名称かもしれませんが、つまり成果を最適化、最大化していくための支援になります。

具体的にいいますと、デジタルのオンライン広告、サーチエンジンの流入対応、そして来た方のUXやサイトを改善するという3つの領域をワンセットで提供し、お客さまの売上、問い合わせ件数を具体的に増加させていくよう支援しています。こちらのビジネスが非常に堅調です。昨年ビジネスを立ち上げ、現在すでに15名の体制まで人員を増やし、お客さまの強い要望に対応できるようにしています。

例えば、コンストラクション・イーシー・ドットコムにおいて、私どものサービスが結果を出し、資料請求の効率性が2.5倍に跳ね上がっています。

もう1つご紹介したいのは、Salesforceの領域です。こちらはITソリューションのセラクと提携して、マーケティングオートメーション(MA)の運用支援サービスを強化しています。特にBtoB向けの企業へのサービスであり、我々が継続的にSalesforceのマーケティングオートメーションツールを設定、運用して結果を出していくサービスを行っています。

取り組み状況(3)

取り組みの3つ目は、私どものUXコンサルティングの事例紹介になります。1つ目は明治大学の事例です。私どもは継続的に明治大学のWebサイトを構築、運用しているのですが、今回はコロナ禍もあったため、実は無償で学生へ「UXワークショップ」を支援させていただくといった、プロボノ的な活動をさせていただきました。

ご承知のとおり、今はコロナ禍により、学生が自由に勉強できない環境です。せっかく新入生として大学に入学しながら、ずっとオンラインの状況が続き鬱屈している状況の中、私どもから明治大学にご提案し、学生向けにUXを勉強する講座をオンラインにて提供しました。

新しい学び方や、オンラインでも非常にクリエイティブなディスカッションができる方法を提示してあげることにより、学生に少しでも元気になっていただきたいという思いから、このような無償の取り組みをご支援しました。

次は、伊藤忠エネクスの「TERASELでんき」という新規事業の立ち上げの支援についてです。電力の自由化が進む中、伊藤忠エネクスも「TERASELでんき」という新しい電気サービスを立ち上げており、そちらの立ち上げをSalesforce Marketing Cloudを活用し、ご支援しています。

今後の成⻑⽅針

今後の動きは、春の決算発表の際にご説明したとおりですが、私どもの中では現在「Step2」に入るタイミングです。「Step1」は事業基盤の再構築の段階であり、「既存ビジネスの精緻化」「事業基盤を強化・変革」に取り組んできました。今回の上期の決算のとおり、おかげさまで上期も黒字化しており、少しずつ「Step1」の成果が出つつあります。

組織の基盤が整ってきたため、ここで攻め、つまり事業成長の段階に入っていこうと「Step2」の動きも着手し始めています。その1つが「Shopify」といった取り組みになるのですが、EC/店舗連携などフィジカルとデジタルを一体化したCXのご支援や、先ほどのアプリビジネスのような資本集約ビジネスモデルへのチャレンジに取り組みます。

そして、この下期から取り組んでいこうと思っていますが、今後はシステムからプロフェッショナルサービスまでを統合化した新しいSaaS型のサービスの研究に取り組んでいこうと考えています。

ネットイヤーグループとしては、最終的に「Step3」の段階において、社会にさらに直接的に貢献できる会社になっていきたいと考えています。あえて説明すると、企業のマーケティング支援のみならず、社会や地球の課題に対し、私たちのUX、デジタルのノウハウを提供し、社会デザイン領域のビジネスを広げていく方針を持っています。以上が事業の状況説明になります。

業績予想、配当予想

最後に、今期の業績予想についてご説明します。業績と配当の予想は、基礎予想から変更ありません。売上高は36億円、営業利益は1億4,000万円、経常利益は1億3,900万円、当期純利益は5億3,100万円という見通しを立てています。配当予想も例年どおり、3.25円と考えています。

グロース市場へ申請

補足情報ですが、来年度に新しい市場区分ができる状況下で、私どもは「グロース市場」を選択したことについてご報告します。2021年7月9日付で東京証券取引所より「新市場区分における上場維持基準への適合状況に関する一時判定結果」を受領し、そちらで新上場区分における「グロース市場」の上場維持基準に適合していると確認が取れました。

そのため、私どもは2022年4月4日以降の新市場区分として「グロース市場」を選択しました。こちらは8月25日に開催した取締役会で決議しています。引き続きご支援のほどよろしくお願いします。以上になります。

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