厚生労働省の「簡易生命表」によると、2020年の平均寿命は女性が87.45歳、男性が81.41歳。40代から50代はまさに「人生の後半戦」の始まりといってよさそうです。

住居資金・教育資金・老後資金は「人生三大資金」などと呼ばれますね。「出ていくお金」「入ってくるお金」は、ライフステージごとに変わります。40代~50代では、これら3つすべてが視野に入っている世帯も多いでしょう。

今回は、働き盛りの「40代~50代世帯」の貯蓄事情の変化にフォーカスしていきます。

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40代から50代で「貯蓄平均」は1.7倍に

では、金融広報中央委員会が公表する「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和2年)」の結果から、40歳代・50歳代の「二人以上世帯」の貯蓄事情を見ていきます。

二人以上・金融資産を持たない世帯を含む「金融資産保有額」分布

【40歳代→50歳代】

  • 金融資産非保有:13.5%→13.3%
  • 100万円未満:8.7%→6.4%
  • 100~200万円未満:6.5%→5.3%
  • 200~300万円未満:7.3%→5.3%
  • 300~400万円未満:5.1%→2.8%
  • 400~500万円未満:5.4%→3.4%
  • 500~700万円未満:8.7%→8.3%
  • 700~1000万円未満:9.0%→9.2%
  • 1000~1500万円未満:12.7%→11.7%
  • 1500~2000万円未満:7.3%→5.7%
  • 2000~3000万円未満:5.1%→10.8%
  • 3000万円以上:7.6%→13.8%
  • 無回答:3.1%→3.9%

平均:1012万円→1684万円
中央値:520万→800万円

平均は一部の大きな値の影響を受けやすいため、より実感に近い「中央値」を参考にされるとよいでしょう。40代から50代にかけて、金融資産保有額の中央値は1.5倍、平均は1.7倍に増えていますね。

次は、貯蓄の内訳を、各年代の平均額をもとに見ていきます。

40代→50代「貯蓄の内訳」預貯金と投資のバランスは?

先述の金融資産保有額の平均をもとに、その内訳を見ていきます。

種類別金融商品保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)

【40歳代→50歳代】

平均:1012万円→1684万円

  • 預貯金(うち運用または将来の備え):473万円→633万円
  • 生命保険:238万円→350万円
  • 個人年金保険:81万円→146万円
  • 株式:105万円→189万円
  • 投資信託:27万円→113万円
  • 財形貯蓄:46万円→86万円

株式・投資信託といった運用性が高い金融商品の保有額の伸びが顕著ですね。割合を見ると株式は40代で10.4%、50代で11.2%。投資信託は40代で2.7%、50代で6.7%です。

実は預貯金が占める割合を世代別に見ると、「20代56.5%→30代44.2%→40歳代46.7%→50歳代37.6%」となっています。この割合を単純に比較すると、40代から50代は「預貯金だけではなく資産運用に」視野を広げる人が増える時期であるともいえそうです。

50代は、教育費や住宅ローンの支払いが落ち着いたり、年収のピークを迎えたりする人が多い時期。老後を見据えた資産運用をスタートさせる世帯が多いのかもしれません。

アリorキリギリス【40代~50代】あなたはどちら?

今回ご紹介した金額はあくまでも調査結果に基づく平均値です。同調査では「金融資産残高が増加した理由」についても問うています(※)。

「相続、退職金等による臨時収入があったから」と回答した世帯の割合は、40代で7.6%、50代で5.0%。こうした理由でいっきに貯蓄額が増えた世帯が一定数あります。

とはいえ、実際の上位回答を見ると……。

  • 40代「定例的な収入が増加したから(52.9%)」「定例的な収入から貯蓄する割合を引き上げたから(27.7%)」
  • 50代「定例的な収入から貯蓄する割合を引き上げたから(31.1%)」「定例的な収入が増加したから(26.9%)」

いずれも堅実な貯蓄への姿勢が、資産を増やすことに繋がっていることが推測できます。イソップ寓話の「アリとキリギリス」のお話でいえば、アリさん派ですね。

私たちとお金の付き合いは生涯続きます。若い頃に身に付けた家計管理と貯蓄のスキルは、一生モノの財産となるはずです。

節約を心がける、収入を増やすといった努力も大切ですが、いずれも限度があるでしょう。預貯金をコツコツ増やすとともに、資産運用で「お金にも働いてもらう」発想も視野にいれるとよいかもしれません。

つみたてNISAやiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)は、少額からの積立投資を後押しする国の税制優遇制度です。老後資金の準備に活用を検討してもよいでしょう。

いずれも金融商品を自分で選び、自己責任で資産運用していく制度です。最適な資産運用のスタイルは人によって異なります。「ちょっと不安だな……」と感じた方は、まずはマネーセミナーや無料相談などをフル活用して、情報収集から始めてみましょう!

※対象:金融資産保有世帯のうち金融資産残高が増えた世帯。複数回答形式。本記事では「その他」をのぞく回答を掲載。

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参考資料