年金額を左右する「現役時代が支払う、年金保険料」

さて、国民年金（基礎年金）と厚生年金では、年金保険料や老後の年金額の決め方が異なります。次で整理していきます。

国民年金（基礎年金）保険料

国民年金（基礎年金）の保険料は全員一律です（月額は「1万7000円×保険料改定率」で計算されます）

2021年度の国民年金保険料は月額1万6610円です。

老齢基礎年金・満額の年金額

20歳から60歳になるまで40年間（480カ月）保険料を全期間納付した場合、原則65歳から「老齢基礎年金」の満額を受給できます。2021年度の老齢基礎年金の満額は月額6万5075円です。

実際の支給額は、保険料を納めていない期間に応じて満額から差し引く形で決まります。

厚生年金保険料

厚生年金の保険料はちょっと複雑です。原則65歳から受け取る老齢厚生年金の年金額は以下の式で求められます。

「報酬比例年金額+経過的加算+加給年金額」

各項目を整理しましょう。

報酬比例年金額：「標準報酬月額（※1）」や「標準賞与額（※2）」に一定の保険料率をかけ、そこに最近の賃金水準や物価水準で再評価するための「再評価率」を乗じたものです。ざっくりいうと「現役世代の収入に応じて保険料が決まる」のです。

※1 標準報酬月額：毎年4月～6月の月収の平均値。32等級に区分され、等級ごとに金額が決まる
※2 標準賞与額：賞与支給額から1000円未満を切り捨てた額。1回あたり150万円が上限

経過的加算：20歳前、あるいは60歳以後に厚生年金の加入期間がある場合、その間の基礎年金相当額が上乗せされるもの。

加給年金額：65歳未満の配偶者か子を扶養している場合に加算されるもの。「厚生年金の家族手当」なんて呼ばれます。