2021年10月15日に行われた、株式会社マネーフォワード2021年11月期第3四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。
スピーカー:株式会社マネーフォワード 代表取締役社長 CEO 辻庸介 氏
目次
辻庸介氏(以下、辻):みなさま、こんばんは。お忙しいところお時間をいただき、ありがとうございます。マネーフォワードの辻でございます。早速ではございますが、第3四半期の決算説明を行います。
主なアジェンダですが、事業内容のご説明、第3四半期の業績をドメインごとにご説明し、最後にその他の戦略的な取り組みや成長投資に関する方針をご説明します。
Mission / Vision / Value / Culture
はじめに事業内容をご説明します。我々は非常に「Mission/Vision/Value/Culture」を大事にしており、「お金を前へ。人生をもっと前へ。」というミッションを掲げて事業を展開しています。
ミッション・ビジョン実現に向けた取り組みを通じ、サステナブルな社会づくりを推進
ミッション・ビジョン実現に向けた取り組みを通じ、サステナブルな社会づくりを推進していくため、SDGsの目標達成に向けて我々独自の3つの重点テーマを設定しています。
「User Forward」「Society Forward」「Talent Forward」を設定し、「ユーザーの人生」「社会」「社員の可能性」という3つのテーマについてより前に進めるための取り組みに力を入れています。
特に「Society Forward」については、「多様なパートナーとの競争により社会のDXに貢献していこう」「よりよい社会システムの実現を目指していこう」「環境に配慮した経営の実践を行っていこう」というかたちで進めています。後にお話しする「Forward Day 2021」はこれに関連する取り組みとなります。
売上高推移
売上高推移についてご説明します。2020年11月期は、2019年にグループジョインをしたスマートキャンプ社の影響を除いてみると前年同期比プラス41パーセントであったのに対して、この第3四半期累計でみると前年同期比42パーセントと強く成長をしています。
新規事業開発とM&A(グループジョイン)により、事業領域を拡大
事業の中身について、2012年に、個人向けの家計簿・資産管理のサービス「マネーフォワード ME」をリリースして以来、新規事業開発と、当社内では「グループジョイン」と呼んでいますが、M&Aにより事業領域を拡大しています。
個人向けの「マネーフォワード ME」、バックオフィス向けのSaaS「マネーフォワード クラウド」、主に金融機関向けのDXを支援している「マネーフォワード X」、データを元にした新しいファイナンスサービスの「マネーフォワード ケッサイ」、そしてグループジョインしたSaaSのマーケティングNo.1の会社であるスマートキャンプ社の「BOXIL」を中心としたサービスを展開しています。
SaaS×Fintech領域で、国内最大級のユーザー基盤とプロダクトラインナップを提供
各事業の売上の割合についてご説明します。我々はSaaS×Fintech領域でビジネスを展開していますが、国内最大級のユーザー基盤とプロダクトラインナップを提供しています。
表の青い部分が法人向けで、Money Foward Businessドメインのバックオフィス向けSaaSが第3四半期累計で売上の54.7パーセントを占めYoYプラス47パーセントの成長、スマートキャンプ社によるSaaSマーケティング支援が売上の12.2パーセントでYoYプラス55パーセントと強く伸びています。
また企業向けのMoney Forward Financeドメインは、売上の5パーセント強を占めています。こちらはYoYがプラス2パーセントですが、課題は既に見えており、今はそれを解決しようと取り組んでいます。
個人向けのMoney Forward Homeドメインが売上の16.2パーセントで、YoYがプラス33パーセントです。また、金融機関向けのMoney Forward Xドメインが売上の11.8パーセントで、YoYがプラス45パーセントとなります。
外部環境の変化に伴い、事業機会が急激に拡大
ご存じのとおり、外部環境の変化に伴い我々の事業機会も急激に拡大しています。電子帳簿保存法の改正や、2年後に迎えるインボイス制度、コロナ禍におけるリモートワークの増加、デジタル庁の発足をはじめとした政府によるデジタル化の推進、オープンAPIの広がり、資金決済法の見直し、給与支払いのデジタル化によって、「SaaS×Fintech」領域でビジネスを進めている我々にとっては、非常にビジネスオポチュニティが広がっていると感じます。
共通コアテクノロジーをベースに様々なプロダクトを開発
さまざまなサービスを行っていますが、1つの共通コアテクノロジーをベースに開発していることが、我々の特徴の1つです。2,590以上の連携サービスからなる「アカウントアグリゲーション基盤」、加えて「共通ID/認証基盤」「データセキュリティ基盤」「データ分析基盤」といったコアテクノロジーをベースに、アプリケーションレイヤーとして法人向けの「マネーフォワード クラウド」、個人向けの「マネーフォワード ME」、金融機関向けの「マネーフォワード Fintech プラットフォーム」などを提供しています。
ドメイン間のシナジーにより、ユニークな提供価値を創出
さまざまなドメインを展開していますが、ドメイン間のシナジーにより、我々にしか生むことができないユニークな提供価値を創出していることが特徴です。
「Home×Business」では、例えば個人事業主向けサービスのクロスセルとして、「マネーフォワード ME」のユーザーに対して「マネーフォワード クラウド確定申告」の連携を進めています。
「Home×Finance」では、個人向けに開発したサービスを金融機関向けにOEM提供しています。
「Business×Finance」では、「マネーフォワード クラウド会計」などのユーザーに対して、Money Forward Financeドメインのサービスを提供しています。
「Finance×X」では、三菱UFJ銀行さまとのジョイントベンチャー設立を前回発表しましたが、複数の金融機関との協業を進めていきます。以上が事業内容のご説明でした。
2021年11月期 第3四半期 ハイライト
第3四半期の業績についてご説明します。連結売上高が38.3億円で、前年同期比プラス39パーセントと、業績見通しに対して順調に進捗しています。
またSaaS ARRは、前年同期比プラス33パーセントで102.5億円という規模になっています。特に、Money Foward Businessドメインの法人向けARRが前年同期比プラス37パーセントで成長を牽引しています。売上総利益は26.8億円で前年同期比プラス46パーセント、EBITDAは0.4億円で、広告宣伝費を除くと6.9億円です。
グループ従業員ですが、採用環境が非常に厳しい中でも採用力が上がっており、現在1,100人と、前四半期に比べて93名の新たな人材がジョインしました。
また、さらなる加速度的な成長の実現に向け、海外公募増資で315億円を調達しました。これは主に、Money Foward Businessドメインにおける顧客獲得およびプロダクト開発、ならびにM&A実施に備えた財務基盤を強化する目的で調達しました。
3Q連結売上高は前年同期比+39%と高成長を継続
連結売上高の四半期別のグラフです。Money Forward Xドメインにおけるフロー収益が前四半期で若干減少したものの、Money Foward Businessドメイン、Money Forward Homeドメイン、Money Forward Xドメインで前年同期比40パーセント以上の高成長を実現しています。
SaaS ARRは100億円を突破
SaaS ARRは、全体で前年同期比プラス33パーセントです。内訳を見ると、グラフの一番下から個人向けのMoney Forward Homeドメインのプレミアム課金がプラス25パーセント、Money Forward Businessドメインの個人事業主向けがプラス27パーセント、法人向けがプラス37パーセントで、Money Forward Xのストック売上高がプラス28パーセントで成長しています。
売上総利益 / EBITDA(四半期推移)
売上総利益およびEBITDAについてです。売上総利益率は70パーセントで、前年同期比3ポイントの改善で、広告宣伝費除きのEBITDA/EBITDAはそれぞれ約6.9億円と約0.4億円になります。
従業員数の推移
従業員の推移は、冒頭でご説明したとおり、エンジニア・デザイナーの採用およびMoney Foward Businessドメインにおける営業人員の採用が着実に進捗していることがよいニュースです。
費用内訳(売上原価・販売費及び一般管理費)
費用内訳ですが、Money Foward Businessドメインへの積極的な成長投資ということで、広告宣伝費ならびに人件費というかたちで投資を継続しています。費用合計の42.8億円の内訳はご覧のスライドのとおりです。
バランスシートの状況
バランスシートの状況について、8月に実施した海外公募増資により、バランスシートが分厚くなり、さらなる積極的な成長投資を可能にする財務基盤を確保しています。
2021年11月期 第3四半期 ハイライト
Money Foward Businessドメインについてご説明します。第3四半期の売上高が26.2億円で、前年同期比プラス41パーセントです。特にストック売上は前年同期比プラス42パーセント、課金顧客数も前年同期比プラス4.9パーセントでプラス17.4万ユーザーとなります。
今回新たに出した指標ですが、法人向けARRに占める中堅企業の比率が25パーセントを超えてきており、中堅企業の獲得が非常に進んでいます。顧客解約率も過去12ヶ月で1.5パーセント、3ヶ月平均で1.0パーセントと低位です。
我々の強みの1つですが、国内従業員規模上位100会計事務所における利用率が70パーセントで、非常に多くの会計事務所に利用されるサービスに成長しています。
四半期 売上高推移
四半期の売上高推移についてご説明します。冒頭でお伝えしたとおり、前年同期比プラス41パーセントの成長をしています。内訳は、グラフの下からストック売上の個人事業主がプラス30パーセント、ストック売上の法人がプラス42パーセント、スマートキャンプ社がプラス49パーセントの成長、フロー売上がプラス29パーセントです。
課金顧客数、ARPA共に順調に増加
法人の課金顧客数が前年同期比で6パーセント増加しています。個人事業主もプラス3.9パーセントで、トータルでプラス4.9パーセントと強く伸びています。
法人のARPAは、前年同期比で0.4パーセントの増加になっています。中堅企業のARPAに関しては2パーセント弱で強く伸びていますが、緊急事態宣言等の関係で会計事務所向けの「STREAMED」のスキャン数が減った影響などがありました。次の四半期は回復すると思っています。
様々なステージの企業に対応可能なラインナップ
さまざまなステージの企業に対応可能なラインナップということで、個人事業主から上場企業まで、会計にはじまり、いろいろなバックオフィスのサービスが提供できるようなラインナップに拡充してきています。
経理財務・人事労務・法務向けにプロダクトを展開
経理財務・人事労務・法務において、特に中堅企業向けのサービスが出揃ってきています。スライドに記載のブルーの部分が経理財務、イエローの部分が人事労務、パープルの部分が法務となります。
後ほどお話ししますが、「マネーフォワード Pay for Business」というサービスをリリースすることができました。こちらを使っていただくと、「マネーフォワード クラウド経費」や「マネーフォワード クラウド会計Plus」にリアルタイムで情報が連動するという画期的なサービスになっています。
ユーザーに応じて、効率的なセールス&マーケティングを展開
ユーザーごとのプロダクトや販売方法、主なユーザー、ARPAを整理した図です。士業事務所およびその顧問先での主要なプロダクトは「マネーフォワード クラウド」や「STREAMED」になっています。中小企業のユーザーに関しては「マネーフォワード クラウド」で、主にWeb課金で販売しています。また中堅企業には「マネーフォワード クラウド会計Plus」をはじめとする中堅企業向けのサービスおよび消込・債権管理サービス「V-ONEクラウド」を直販やパートナーセールスで販売しています。これらのユーザーのARPAは80,954円です。
個人事業主には「マネーフォワード クラウド確定申告」を提供しており、ARPAは11,651円です。
柔軟性の高いクラウドERPとしてのユニークなポジショニング
我々の特徴は、非常に柔軟性の高いクラウドERPとしてユニークなポジションを占めていることだと思っています。先ほどお伝えした、経理財務・人事労務・法務までカバーした幅広いプロダクトラインナップとなっています。
また、一度に全部を導入したり、変更しないといけないというのは、会社にかなりの負担が発生します。しかし、我々のサービスは段階的・部分的な導入が可能なため、「まずは経費から」、または「給与・勤怠から」というかたちで使うユーザーが増えています。
さらに、モジュール間のシームレスな連携や、他社サービスとのAPI連携等で高い拡張性を実現しているところが特徴です。
導入事例(1/2)
導入事例ですが、「マネーフォワード クラウド会計Plus」のユーザーが非常に順調に増加しており、上場企業ではビザスクさまやAI insideさまなど、スライドに記載の会社にお使いいただいています。
導入事例(2/2)
「マネーフォワード クラウド給与」「マネーフォワード クラウド勤怠」「マネーフォワード クラウド経費」「マネーフォワード クラウド社会保険」「V−ONEクラウド」等の導入企業をご紹介します。
東証1部・2部上場企業から中堅・IPO準備企業まで、本当に幅広い顧客基盤を構築しているのが特徴です。
全国の会計事務所とのパートナーシップが更に拡大
全国の会計事務所とのパートナーシップは、冒頭にお伝えしたとおり、国内従業員規模上位100の会計事務所のうち70パーセントが「マネーフォワード クラウド会計」を導入しており、非常に強いネットワークができていると思っています。
「Forward Day 2021」を11月2日にオンラインで開催
「Society Forward」、社会を前に進めようということを謳っていますが、これに関連して、「ビジネスを前に進め、社会を動かすチャレンジを応援する」というテーマを掲げて、11月2日に「Forward Day 2021」を開催します。
オンラインでのセミナーのため、お時間が許せばぜひご覧いただければと思います。今回は、ソニーグループの立て直しを見事に牽引された平井シニアアドバイザーにご登壇いただき、リーダーシップ等についてお伺いしたいと思っています。
請求業務のデジタル化に向けて、「#インボイスフォワード」プロジェクトを推進
現在話題のインボイス制度ですが、2023年10月に開始ということであと約2年になってきました。請求業務のデジタル化に向けて、「#インボイスフォワード」と銘打ったさまざまなプロジェクトを推進しています。
特設サイトを公開してさまざまな取り組みを配信しており、インボイス制度の登録申請サービスも開始しました。こちらは、フォームに沿って入力いただくだけで登録申請書類が簡単にできるようなサービスです。
SaaS x Fintechとして、決済領域までカバーし、効率化に留まらない価値を提供
SaaS×Fintechで、決済領域まで徐々にカバーし、効率化に留まらない次の価値を提供していこうと取り組んでいます。
スライドに記載のとおり、これまで会計・請求書・ファクタリング・OCR・消込管理・債権請求というサービスを提供していますが、その上にB2B決済として、「マネーフォワード Pay for Business」という、個人事業主や法人向けの事業用プリペイドカードを提供開始しました。
『マネーフォワード ビジネスカード』を提供開始
我々の創業の時のペインが、このサービスのモチベーションでもあるのですが、与信審査が不要で一取引あたり最大5,000万円までの高額決済が可能なプリペイドカードになっています。
特徴は与信審査不要、最大5,000万円までの高額決済、「マネーフォワード クラウド」のリアルタイムなデータ連携で、今冬にはクローズドβ版として後払い機能を提供予定です。また法人カードでは珍しく、決済金額の1パーセントから3パーセントを「マネーフォワードポイント」として還元するカードになっています。
特にベンチャー企業の創業時はなかなかクレジットカードが作れなかったり、作れても上限金額が20万円など、厳しいのが現状です。資金調達後、「Amazon Web Services」やリスティング広告などをもっと使いたいという会社でも、実際はクレジットカードの与信枠が上がりにくくカードによる決済ができないという場合があります。私も、創業時に自分のカードを登録したりといろいろ大変でしたが、そのようなペインを解消できるサービスになっていると思っています。
『マネーフォワード IT管理クラウド』を提供開始
もう1つの新プロジェクトで、「マネーフォワード IT管理クラウド」を提供開始しています。こちらは当社のコアテクノロジーであるアカウントアグリゲーション技術を活用して、企業の方々が導入しているSaaSのサービスや、各従業員のSaaSのID発行・利用状況の確認・削除までを一元管理するというサービスです。
『マネーフォワード IT管理クラウド』の取り組む課題とソリューション
例えば、アメリカではSaaSの活用が増える一方で、情報システム担当者の負担が増大してるという現状があります。アメリカの1社あたりの平均導入SaaS数は110になっている一方で、日本の1社あたりの平均導入SaaS数は7とまだまだ少ない状況で、2015年時点のアメリカと同等の水準だと思っています。
情報システム担当者が1名以下の中小企業は37.4パーセントです。また、システム管理部門などが把握していないITサービスを使ってしまう「シャドーIT」は、セキュリティのリスクや情報漏えい等のさまざまなリスクを抱えることになりますが、調査では76.5パーセントもの会社がシャドーITが存在していると答えています。
このように、なかなか現状が把握できなかった部分を、「マネーフォワード IT管理クラウド」を使うことで、各SaaSの利用状況が従業員ごとに把握でき、退職してもすぐアカウントを消すことができて、コストの可視化も可能になります。したがって、SaaS管理の手間と無駄をかなり削減することができるのではないかと思います。
また、シャドーITの見逃し防止ということで、ガバナンスや情報漏えいのリスクを格段に下げることができるサービスです。
以上がMoney Forward Businessドメインのご説明です。
プレミアム課金収入 売上高推移
Money Forward HOMEドメインについてご説明します。プレミアム課金収入は25パーセント成長と順調で、課金ユーザーは35万人を突破しています。
第1四半期から第2四半期に比べて、第3四半期は伸びが鈍く見えるのですが、これはAppleさまの集計期間のズレの影響によるものです。実際には、スライドに記載の課金ユーザー数のグラフをご覧いただければおわかりになるとおり、基本的には右肩上がりで伸びています。
メディア / 広告収入 売上高推移
メディア/広告収入の売上高推移ですが、前年同期比プラス98パーセントです。「マネーフォワード 固定費の見直し」をはじめ、「マネーフォワード ME」を主軸として、その周りにさまざまな新規サービスを立ち上げており、徐々に増収に貢献しています。
11月「マネーフォワード Week 2021」開催決定
お金の課題を解決するという我々のミッションのもと、お金のプロによる特別オンラインセミナーを3日連続で開催する予定です。こちらも、ご興味をお持ちの方はぜひご覧ください。
『マネーフォワード ME』にアクションを促すバッジ機能を追加
「マネーフォワード ME」にアクションを促すバッジ機能を追加することにより、ユーザーの定着を推進し、継続的に使っていただく取り組みです。ステップバイステップでお金の知識や管理の方法を身につけていただくために、今回バッジ機能を追加しました。
提供価値を拡大し、課題解決に向けたアクションを促す
HOMEドメイン全体でみると、サービスの提供価値を一層拡大し、課題解決に向けたアクションを促すことを目指しています。「見える化」から始まり、「気づきの提供」「学びの提供」「改善に向けたアクション」までを提供しています。
ユーザーの課題解決のためにパートナーとの協業を推進
スライドのとおり、各分野において、すばらしいパートナーの方々と一緒にビジネスを展開しています。
保険に関しては、オンライン生命保険のライフネット生命さまと提携しており、保険の見直しの診断数が1万6,000件を突破しています。
FP/IFA相談のところは、「マネーフォワード お金の相談」の連携先に、FPパートナーさまに加えてファイナンシャルスタンダードさまも追加となり、ライフプランから資産運用まで幅広くご相談いただくことが可能です。
以上がMoney Forward Homeドメインのご説明です。
四半期 売上高推移
Money Forward Xドメインについてご説明します。四半期売上高推移ですが、前年同期比プラス52パーセントで、ストック収入は順調に増加しています。フロー収入は、第2四半期における新規契約が非常に多かったのに対して、第3四半期は導入が若干減ったことで減少しました。一方で、ストックは順調に増加しています。
NTTファイナンスのエンディングノートアプリ『楽クラライフノート』の開発に参画
取り組みのご紹介ですが、NTTファイナンスさまのエンディングノートアプリ「楽クラライフノート」の開発に参画しています。
『マネーフォワード Fintech プラットフォーム』
「マネーフォワード Fintech プラットフォーム」をリリースしています。スライドに記載のとおり、アカウントアグリーゲーション基盤などを活かしながらサービスを展開しています。
金融機関等との連携(個人向けサービス)①
金融機関との連携による個人向けサービスです。金融機関や特定サービス向けの「マネーフォワード for ◯◯」、金融機関のユーザーの通帳をデジタル化する「デジタル通帳」、および「資産管理Unit」「家計簿Unit」を提供しています。
金融機関等との連携(個人向けサービス)②
ほかにも、NTTドコモさまの「スマー簿」や、野村證券さまの「OneStock」など、さまざまな取り組みを行っています。
金融機関等との連携(法人向けサービス)
法人向けサービスのご紹介です。我々が「BFM」と呼んでいる「Business Financial Management」ツールについては、岡崎信用金庫さま、京都信用金庫さまが導入しています。法人ポータルは、今回、池田泉州銀行さまに導入を決めていただきました。
また、福岡銀行さまのオンラインレンディングサービス「フィンディ」に機能を提供しています。
以上がMoney Forward Xドメインのご説明です。
四半期 売上高推移
Money Forward Financeドメインについてご説明します。こちらは若干苦戦しており、売上高は前年同期比マイナス2パーセントです。貸倒れが何件か発生しているため、与信管理をもう一度見直しつつ、コロナの影響の中で引き続き与信管理の強化を継続しています。足元では、ビジネスモデルの再検証をしており、今後の売上の復調につなげていく予定です。
マネーフォワードケッサイにおける累計取扱高500億円を突破
マネーフォワードケッサイにおける累計取扱高が500億円を突破しました。個人事業主から大手企業まで幅広い利用者がおり、ウォンテッドリーさまのような上場企業にもサービスを提供しています。
特に成長企業にとって、入金管理の負担は非常に大きいですが、このサービスを使うことにより、入金管理や請求業務の工数を「2人/月」ほど削減することができたとコメントをいただいています。
三菱UFJ銀行との合弁会社『株式会社Biz Forward』を設立
三菱UFJ銀行さまとの合弁会社として、Biz Forwardを設立しました。中小企業向けのオンラインファクタリング事業および請求代行事業を開始する予定で、年内にサービスがリリースできるよう鋭意開発中です。
以上がMoney Forward Financeドメインのご説明です。
2021年8月に実施した海外公募増資により、315億円を調達
その他の戦略的な取り組みについてご説明します。8月に実施した海外公募増資ですが、2日間で60件ほどの面談を行い、配分額の約10倍の需要を獲得することができました。ご協力いただいた投資家のみなさま、本当にありがとうございます。
調達の主な目的は、スライド左側にあるとおり、国内SaaS/Fintech領域におけるさらなる成長とM&Aの実施です。
また、今回の発行株式の配分は、過半をロングオンリー投資家に配分できたこと、多数の米国機関投資家の方々にも参加いただいたことが特徴です。
ローンチ後の株価推移について、通常は希釈化がある分、株価も多少落ちると思っていましたが、おかげさまで今回は株価上昇率が6.6パーセントという結果で、株価も順調に推移しています。
主な投資領域
主な投資領域としては3つあります。セールス&マーケティングでは、この上半期に課金顧客数の純増ペースが大きく加速し、プロダクトラインナップも広がってきていることを踏まえ、ARR成長の加速に向けた投資を拡大していきます。一方で、適正期間での投資回収はしっかりと見ていきたいと思っています。
プロダクト開発に関しては、中堅・大企業向けのフレキシブルなERPラインナップの拡充に加え、AIやUI/UX、自然言語処理を含む領域へのイノベーション投資を行っていきます。我々はMoney Forward Labという研究組織を作っていますが、そこを中心としたイノベーションの創出を目指します。また、データ資産を活かした新規事業を創出するべく動いています。
戦略的M&Aとしては、規律あるM&Aを実施していきます。上場後に4社のグループジョインが実現し、我々の事業成長に大きく寄与してくれています。今後も積極的なM&Aを実施していこうと考えています。
おかげさまで、資金調達後、非常に多くのM&A候補のお話をいただくことができ、よいお話もいただいています。
成長投資の方針
成長投資の方針についてはあまり変えていないのですが、基本的にはサブスクリプションモデルのため、短期的な損益に惑わされることなく、中長期的なキャッシュフローの最大化を重視していきます。
また、公募増資で調達した資金は、Money Forward Businessドメインを中心に先行投資を加速していきます。
その一方で、成長投資に関しては外部環境や競合状況を見極めつつも「LTV/CAC」などの経営指標の健全性を堅持しながら実行していきます。
M&Aに関しても、戦略的かつ財務的な規律に沿うことが非常に大事だと考えています。そのような一定のルールを持ちながら、厳選して取り組んでいきます。
また、海外戦略の重要なパートですが、インドネシアのSMB向けのクラウド会計・HR市場におけるリーディングカンパニーであり、我々の出資先のMekariグループとのパートナーシップを引き続き強化していきます。
事業領域及びサービス拡充によりTAMは継続的に拡大
事業領域およびサービス拡充により、TAMは継続的に拡大しています。スライドに4.3兆円と記載がありますが、このように巨大な潜在市場で事業を展開できています。非常に大きなTAMの中で、今後もしっかりとユーザーに価値を提供し、事業を伸ばしていきたいと思っています。
駆け足で大変恐縮ですが、私からのご説明は以上でございます。ご清聴ありがとうございました。