先日の自民党総裁選で論点の一つにあった年金制度改革。岸田文雄新総裁は「現行制度をベースにし、厚生年金の加入者を拡大することで受給額の増加をはかる」というスタンスを示しました。
公的年金は、国民年金と厚生年金の2階建ての仕組みになっています。上乗せ部分の厚生年金の受給者を増やすことで、全体の年金受給額を増やし、「人生100年時代」に備えましょう、という考えのようですね。雇用主側の負担も話題になっています。
本日は生命保険会社で勤務経験のある筆者が、現在のシニアがいくら年金を受け取っているか、男女別にながめていきます。また、報酬比例で受給額に差がでやすい厚生年金についても注目してみていきましょう。
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まずは国民年金と厚生年金の仕組みをチェック
日本の年金制度は「国民年金(基礎年金)」と「厚生年金」、二つの年金制度から成り立ちます。
まずは1階部分の「国民年金」について確認しましょう。
国民年金の保険料:日本国内に住む20歳から60歳になるまでの人が保険料を払います。保険料は収入に関係なく一律です。
- 「保険料額=基本額1万7000円×保険料改定率」2021年度は月額1万6610円
国民年金の年金額:40年間の保険料納付で満額となり「78万900円×改定率」が受け取れます。納付期間が足りない場合、その割合を満額から差引かれる仕組みです。
- 国民年金(老齢基礎年金(満額)):2021年度は月額6万5075円
次に、2階部分の「厚生年金」は、会社員や公務員が、国民年金に上乗せして加入します。
厚生年金の保険料:会社員や公務員などの「第2号被保険者」が、収入に応じた厚生年金保険料を、給与天引きで納付します。
厚生年金の年金額:加入期間や現役時代に納めた保険料によって受給額が決まります。