配当・家賃など「不労所得」がある人はどのくらいいるの?

さいごに、内閣府の意識調査より、シニア世帯の「財産からの収入」すなわち不労所得にまつわるデータをご紹介します。

60歳以上の男女を対象とした「令和元年(2019)度 高齢者の経済生活に関する調査結果」から、「収入の種類」に関する設問とその回答状況を見ていきましょう。
(※)複数回答形式、配偶者と一緒に暮らす場合は、回答者と配偶者2人の状況を回答

60歳以上・シニア世代の「収入の種類」

回答者全体(N=1755)

仕事による収入・・・41.0%
公的年金、恩給・・・87.3%
公的年金、恩給以外の社会保障給付金(生活保護等)・・・1.1%
企業年金、個人年金等・・・16.5%
財産からの収入(利子、配当金、家賃、地代等)・・・8.4%
子などからの仕送り・援助・・・2.2%

回答者全体の8.4%が、「財産からの収入」(配当金や家賃などの不労所得)があると回答しています。「財産からの収入」がある人の割合を、二つの切り口から見ていきます。

①「就業状況別」財産からの収入(不労所得)がある人の割合

収入のある仕事をしている

  • 自営業主・個人事業主・フリーランス・・・13.4%
  • 正規の社員・職員・従業員・・・3.3%
  • パート・アルバイト・・・6.7%
  • 労働者派遣事業所の派遣社員・・・―
  • 契約社員・嘱託社員・・・2.9%
  • 会社または団体の役員・・・21.6%
  • その他・・―

収入のある仕事はしていない・・・8.3%

割合が多かったのは、「会社または団体の役員(21.6%)」「自営業・個人事業主・フリーランス(13.4)」「収入のある仕事はしていない(8.3%)」です。

②「1カ月の収入額(※)から見た」財産からの収入(不労所得)がある人の割合

※配偶者がいる場合は、夫婦の毎月の収入額。

5万円未満・・・7.7%
5万~10万円未満・・・4.1%
10万~20万円未満・・・3.2%
20万~30万円未満・・・6.5%
30万~40万円未満・・・16.6%
40万~60万円未満・・・22.7%
60万円以上・・・36.4%

ひと月の収入が30万円未満の場合は1桁台ですが、30万円のラインを境に財産からの所得がある人の割合は飛躍的に上がります。

ひとくちで「不労所得」といっても、月に数千円の配当収入から、数百万円単位の不動産収入まで含まれます。各回答者が「どのくらいの不労所得を得ているか」については触れていない点には注意が必要です。とはいえ、回答者の「仕事による収入」が、不労所得事情のカギを握ると考えることは、あながち間違いではなさそうです。