先日、田村憲久厚生労働大臣が、基礎年金の給付水準の目減りを防ぐための年金改革案について言及しました。

そこで出てきた「モデル世帯」って、どのような世帯を指すかご存じでしょうか。老後に受け取る年金は、世帯構成や現役時代の働き方に大きく左右されます。

今日は、厚生年金・国民年金の受給額事情をながめたあと、「モデル世帯」を含めた夫婦世帯・「シングル世帯」の年金額を、パターンごとに比較していきます。

年金制度の基本&「モデル年金」とは

日本の年金制度は「2階建て構造」なんて呼ばれますね。図のようなイメージです。

1階部分の「国民年金」は、日本に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入する、いわば年金の基盤部分です。基礎年金ともよばれます。2階部分の「厚生年金」は、会社員や公務員などが、国民年金に上乗せして加入するものです。

「モデル年金」ってどんな年金?

冒頭で触れた「モデル世帯」はしばしば年金額の目安として使われていますが、その世帯がうけとる「モデル年金」の定義は以下の通りです。

ちなみに令和3年(2021年度)のモデル年金は22万496円です。

※平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43.9万円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。

引用元:日本年金機構「令和3年4月分からの年金額等について」

つまり、モデル世帯とは、「夫がサラリーマン・妻が専業主婦」の状態が40年間続いた世帯を指すわけです。令和の時代には主流派とは言いがたいでしょう。

よって、単身世帯や、夫婦ともに会社勤めだったり、二人とも自営・フリーランスだった場合はこのモデル年金額は参考にしにくいといえます。

そこで、次では、厚生労働省の資料から、国民年金と厚生年金の「1人分」の年金額をみていきましょう。