2020年4月にスタートした、所得の少ない世帯向けに大学・短大・高等専門学校・専門学校の授業料減免や奨学金給付を行う国の「修学支援制度」。いわゆる大学無償化ですが、2021年9月14日、文部科学省は10月7日より高校3年生を対象に追加募集を始めると報じられました。

2021年4月13日の萩生田光一文部科学大臣の記者会見によると、修学支援制度は初年度である2020年度で約27万人が利用。一定の仮定に基づく推計では、制度導入後に住民税非課税世帯の進学率が約7~11ポイント上昇したとされています。

また、新制度対象者のアンケートをしたところ、新制度がなければ進学は諦めていた者が34.2%、新制度がなければ今の学校より学費や生活費がかからない学校に進学した者が26.2%という結果になりました。

まだはじまったばかりの修学支援制度について、どのような内容か、わが家は対象になるのかなど分からない方もいるでしょう。制度を利用することで子どもの進学の選択肢も増えますから、今一度その制度について確認していきましょう

修学支援制度、その対象者や支援される額は?

高等教育の修学支援制度は、その名称から誤解されがちですが「大学、短大、高等専門学校、専門学校」で利用できます。対象となる学校は大学・短期大学で98.1%、高等専門学校で100%、専門学校で74.9%(2021年8月31日現在)と、多くの学校で利用が可能です。

対象となるのは、住民税非課税世帯とそれに準じる世帯。支援は「第1区分(住民税非課税)」「第2区分(準ずる世帯)」「第3区分(準ずる世帯)」に分かれており、支援額は順に「3分の3」「3分の2」「3分の1」と収入が上がるにつれて減少する仕組みです。

支援内容は、「授業料等の減免」と「給付型奨学金」の2つ。上限となる支援額を確認しましょう。

支援額の上限額(年額)

「授業料等減免」…住民税非課税世帯なら、国公立大学で入学金約28万円、授業料約54万円。私立大学で入学金約26万円、授業料約70万円。

「給付型奨学金の給付額」…住民税非課税世帯なら、「国公立大学・短期大学・専門学校」の自宅生で約35万円(月額2万9200円)、自宅外生で約80万円(月額6万67700円)。「私立大学・短期大学・専門学校」の自宅生は約46万円(月額3万8300円)、自宅外生は約91万円(月額7万5800円)。

このように大学などへの入学や授業料を支援すること、また入学後も学業に専念できるよう学生生活を支援することを目的としています。

支援対象者となる学生の要件として、進学前は成績やレポートなどで本人の学習意欲があるかを確認し、進学後は学修状況に要件が決められています。