厚生労働省の「令和3年度 出生に関する統計(人口動態統計特殊報告)」によると、2019年の平均初婚年齢は29.6歳。30代は子どもの誕生や住宅購入といったライフイベントを経験し、「仕事に家庭に大車輪!」という人が増える世代といえそうです。
今回は30代世帯の貯蓄事情を眺めたあと「住宅ローン返済世帯」の家計や共稼ぎ率も見ていきます。同僚や友人にはちょっと聞きづらいお金のこと、深掘りしていきましょう!
30代世帯「若い夫婦」の貯蓄事情
総務省統計局が2021年5月に公表した「家計調査報告(貯蓄・負債編)―2020年(令和2年)平均結果―(二人以上の世帯)」によると、二人以上世帯の貯蓄現在高の平均値は1791万円で、前年より36万円増えています。また、負債現在高の平均値は572万円で、前年より2万円増えています。
これを30代・勤労世帯にしぼって見ていきます。
30代世帯の「貯蓄と負債」
貯蓄現在高:750万円
負債現在高:1337万円 (うち「住宅・土地のための負債」:1266万円)
30代の勤労世帯の貯蓄額は、全世代における平均値を1041万円下回ります。負債のほとんどを「住宅・土地のための負債」、つまり住宅ローンが占めていますね。
貯蓄が負債を大きく上回り、平均値で見る「純貯蓄額」はマイナス587万円です。
次では30代の「住宅ローン返済世帯」について、家計事情や家族構成に関するデータをのぞいていきます。
30代「住宅ローン返済世帯」の家計事情
前項までは、30代世帯の貯蓄と負債についてながめてきました。30代の多くの世帯が住宅ローンというコアな支出を意識しながら、家計のやりくりをしていることがうかがえます。
そこで、30代の「住宅ローン返済世帯」の家計事情や家族のすがたをながめていきます。ここからは、「家計調査・家計収支編」(第3-2表・第3-10表)の勤労世帯の調査結果から、30代を含む年齢区分のデータを見ていきましょう。
※さきほどの「家計調査」貯蓄負債編とは、対象年齢の区切り方が異なりますのでご注意ください。
「25~34歳」世帯主の年齢:31.6歳
世帯人員:3.68人
18歳未満人員:1.64人
世帯主の配偶者のうち女の有業率:56.1%◆経常収入:54万9494円
◆消費支出:25万4005円消費支出の主な内訳
- 食料:6万7839円
- 光熱・水道:1万8779円
- 被服及び履物:1万290円
- 保健医療:1万2291円
- 交通・通信:4万9042円
- 教育:6279円
「35~39歳」世帯主の年齢:37.1歳
世帯人員:3.94人
18歳未満人員:1.89人
世帯主の配偶者のうち女の有業率:63.9%◆経常収入:61万3394円
◆消費支出:26万9379円消費支出の主な内訳
- 食料:7万7055円
- 光熱・水道:2万245円
- 被服及び履物:1万2140円
- 保健医療:1万892円
- 交通・通信:4万5873円
- 教育:1万2510円
ここでは「世帯主の配偶者のうち女の有業率(=共稼ぎ率)」に着目します。この割合は「25~34歳」で56.1%、「35~39歳」で63.9%です。
これを、住宅ローン返済がない世帯も含めた世帯でみると、「25~34歳」53.0%、「35~39歳」56.0%。(※同調査第3-2表(勤労))
住宅ローン返済世帯のほうが、やや共稼ぎ率が高いですね。「18歳未満人員の数」からは、いずれの年齢ゾーンも子育てをしながら二馬力でがんばる世帯が多いことがうかがえる結果となりました。
家族の未来に向けた「お金の計画」
30代世帯のお金事情や、住宅ローン返済中の世帯の家族のすがたなどを眺めてきました。
勤め先で重要なポジションを任され始めたり、将来を見据えたキャリアアップに挑戦したり……という機会も増える時期。同時に結婚や子育てなどの私的な経験を通じて大人としての責任を痛感している人も多いでしょう。
ご自身のキャリアや家族の成長に軸足をおきつつ、長期的な目線で貯蓄目標を立てる好機であるともいえそうです。
住宅ローンや子育て費用が家計を圧迫する時期ではありますが、家計簿をしっかりつけて収支を把握し、給与天引きや学資保険など強制力のある方法なども活用しながら、貯蓄を増やしていきましょう。
効率良く資産を育てるためには、預貯金以外に資産運用をとりいれることも有効です。つみたてNISAやiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)などを活用した、少額からのつみたて投資などは取り組みやすい方法かもしれません。
【ご参考】貯蓄とは
総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]「用語の解説」によると、
「ゆうちょ銀行,郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構,銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金,生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式,債券,投資信託,金銭信託等の有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価,債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と,社内預金,勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいう。なお,貯蓄は世帯全体の貯蓄であり,また,個人営業世帯などの貯蓄には家計用のほか事業用も含める」とあります。
