実は、その高校では国公立や有名私立大学に進学した生徒のほとんどが部活動で結果を残し、推薦入試や指定校推薦を利用していたのです。一般入試経由で合格した生徒はごくごくわずかで、相当な努力を要する状況でした。

普通科と専門科高校の違い

そこで、再び通塾し始めた生徒たちには独学で差を埋めるのは並大抵のことではないことを伝えつつ、センター試験でそれなりの点数を取ることを目的に勉強をスタート。しかし国公立大学には届かず、結局、地域の私立大学に進学することになりました。

中学生時代の成績の差はそれほど大きくないのに、進学先の高校で使う教科書によって「大学入試に問題がないレベル」と「センター試験を受けるのもやっと」という違いが出てしまっていたのです。

このように、普通科といっても高校ごとの偏差値の開きは大きく、「大学進学」という目標を掲げてはいても通っている学校のカリキュラムによっては、そのスタートラインにすら立つこともままならない場合があります。

そのため、普通科を選択するのであれば、その学校のレベルでどの程度の大学に行けるのか、何割が進学するのかといった情報を事前にチェックすることが重要になります。入学してすぐに「大学進学はかなり難しい」と後悔するのは避けたいところです。

そして、進学率がそれほど高くはない普通科に通う生徒にとって一番ハンデになるのが「専門性を身につけていない」という点。一方、農業学校や商業学校、工業学校などは全国の自治体にありますが、おしなべて古い歴史を持つ学校です。

高い専門性を学ぶだけではなく、歴史が長いため卒業生も各方面で活躍しています。中には会社を起こしている先輩もいて、地元経済界と強いつながりがある場合も少なくありません。また、成績上位層は指定校推薦で有名大学に進学するチャンスもあります。