一般社団法人日本フードサービス協会の調べでは、7月の同協会の会員会社全体の売上は対前年同月比プラスとなり、4月から4カ月続けてのプラスとなりました。

アルコールの提供が中心の居酒屋は依然大きなマイナスですが、洋風ファーストフードはコロナ禍前の2019年7月の数字を上回るなど、コロナ禍前の業績を上回る業態も表れています。

コロナ禍で苦境に陥った国内外食業界ですが、業界全体としては底打ちしつつあるのではないでしょうか。

ファーストフード・喫茶が復活の兆し

一般社団法人日本フードサービス協会(以下、FS協会)の調査では、2021年7月の協力会員全体の売上高は対前年同月比102.1%となりました。4月から4月136.7%、5月119.8%、6月100.1%とプラスで推移しており、7月は「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」が首都圏、大阪、沖縄などに出されたものの、外食産業全体としては回復を維持しました。

またFS協会の7月の調査を業態毎に見てみます。

全店データ(前年同月比)

  • ファーストフード:108.6%
  • 喫茶:105.8%
  • ファミリーレストラン:93.5%
  • ディナーレストラン:88.3%
  • パブ/居酒屋:61.5%

ファーストフードと喫茶がプラスとなりました。

またファーストフードは、洋風の115.8%を筆頭に、和風・麺類・回転寿司等いずれも対前年同月比プラスとなりました。日本マクドナルドHD<2702>は通期予想の上方修正を行うなど業績絶好調ですが、他のファーストフード店も伸びを見せています。更に洋風ファーストフードはコロナ禍前の2019年7月比でも120.7%であり、完全復活というべき状態です。

居酒屋の厳しい状態が続く一方で、ファーストフードはコロナ禍前の業績を超えるなど、状況はまだら模様ながら外食産業全体として最悪期を脱しつつあります。