世帯年収400万と600万「リアルな貯蓄額」から見えること

コロナ禍が長引き社会情勢が不安な今、お金の大切さを痛感している人も多いと思います。同時に、「周りのみんなの年収や貯金はどのくらいだろう」と気になっている人もいるのでは？

日本人の平均年収は、国税庁の「令和元年分　民間給与実態統計調査」によると436万円です。また同調査の年収分布をみてみると、日本では年収600万円以下が79.5％とボリュームゾーンになっているというのが実情です。

ちなみに、年収600万超～700万円以下は6.5％。

この数字から見ても、生活スタイルや家族構成にもよりますが、「世帯年収が600万円」というと平均以上の稼ぎがあり、それなりにゆとりある生活を送れるのでは、と感じる方もいらっしゃるでしょう。

今回は約20年ファイナンシャルアドバイザーとして個人向け相談をしている私から、「年収400万円世帯」と「年収600万円世帯」のお財布事情をご紹介します。特に純貯蓄額（貯蓄から負債を差し引いた「ほんとうの貯蓄額」）を比較していきましょう。

「年収400万円世帯」と「年収600万円世帯」ホントの貯蓄額は？

資産状況を見ていく上で、貯蓄と負債はセットで把握していく必要があります。

総務省「家計調査/貯蓄・負債編　二人以上の世帯」の第8-2表を参考にして、勤労世帯の「年収400万円世帯」と「年収600万円世帯」それぞれの前後の年収ゾーンについて、貯蓄額から負債額を差し引いた「ほんとうの貯蓄額（＝純貯蓄額）」を求めていきましょう。

まずは、「年収400万円前後」の世帯です。

純貯蓄額…587万円

純貯蓄額…356万円

貯蓄額と純貯蓄額を見ると、年収が低い世帯の方が高くなっています。ここでは年収と貯蓄額は連動するとは言い切れないようですね。

次は「年収600万円前後」の年収帯をみてみます。

純貯蓄額…172万円

純貯蓄額　279万円

こちらについては、年収に連動して貯蓄額・純貯蓄額が増えていますね。また、負債額も貯蓄額同様、年収に連動して増えていることが分かります。