今はゼロ金利で、金融緩和というのは世の中に資金を出回らせることですが、それが景気に与える影響については議論があります。筆者はあまり効果があるとは考えていませんが。

反対に、景気が過熱してインフレが心配な時には、政府は公共投資等を控えめにし、日銀は金利を引き上げることで景気を悪化させようとします。まあ、日本でインフレ抑制が必要になったことは何十年もありませんでしたから、この話は読者の興味を引かないかもしれませんが(笑)。

実際には海外経済の影響を受ける場合も多い

実際には、景気は海外経済の影響を受ける場合が多く、海外の景気が悪化すると輸出が減って、輸出企業が減産をして、雇用を減らして景気が悪化するといったことが頻繁に生じています。

リーマン・ショックによる景気悪化は10年以上前のことですが、記憶に強く焼き付いていますし、それ以外にもITバブル崩壊等々、海外の景気悪化によって国内の景気が腰折れしたことは何度もありました。

バブル崩壊後の長期低迷期に、国内景気が回復を始めても過熱に至らなかったのは、その間に海外の景気が悪化して国内の景気の腰を折ってしまったからですね。もちろん、簡単に腰折れするくらい弱々しい景気回復であったことが背景にあるわけですが。

海外の景気が拡大し、日本の輸出が増えて景気を回復させる場合も、当然あります。もっとも、そうした場合には政府・日銀の必死の景気対策も行われているはずですから、海外の景気拡大の影響度がどの程度であったか、あまり明確でない場合が多いですが。