前週の大きな下げから反転し、買い戻しの動きへ

2021年8月27日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は前日より101円15銭安の2万7641円14銭でした。

前週はトヨタ自動車の減産発表や、米連邦準備理事会(FRB)によるテーパリング(量的金融緩和の縮小)観測などで日本株は大きく下げましたが、先週はそれらが落ち着き、買い戻される動きとなりました。ただし、2万8000円台に乗ると利益確定の売りも出やすく、上値の重い展開となりました。

今週の動きはどうなるでしょうか。FRBのパウエル議長は27日、オンラインで開かれた経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」で講演し、年内にテーパリングを始めるのが適切との考えを示しました。ただし、テーパリングは利上げに直結しないと強調しています。

これにより、投資家の間に安心感が広がり、27日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発。終値は前日比242ドル68セント高の3万5455ドル80セントとなりました。日本株も週初から底堅い展開になることが期待されます。

一方で今週は重要な経済指標の発表も多く、様子見ムードになるかもしれません。8月31日に中国の8月製造業購買担当者景気指数(PMI)、9月1日は米ADP雇用者数(前月比)、製造業PMI、ISM製造業景気指数、3日には8月の米雇用統計が発表されます。いずれも、コロナ禍における直近の経済状況を判断するものとして注目されます。

難しいのは、指標の数値の良しあしが必ずしも株価に直結しないことです。悪い数値でも「思っていたほど悪くなかった」と好感されることもありますし、良い数値でも「想定内」とされることもあります。数値の発表に飛びつかず、その後の動きを見極めるようにしましょう。