多くのビジネスパーソンにとって、ランチタイムはその日1日を乗り切るための大切な時間なのではないでしょうか。以前にグルメサイト「食べログ」がビジネスパーソンを対象に外食ランチ事情について行ったアンケートによると、約40.7%の人が「上司や同僚とランチに行くことが多い」と答えているなど、ランチタイムは重要なコミュニケーションの場になっていたと言えます。

しかし、それゆえに、不満を抱えていたという方も多いのかもしれません。Twitterではランチに関するあゆゆん♪(@ayu_littlewing)さんの次のような投稿が話題を呼んでいました。

「昔、上司と同僚とランチに行った時に同僚に『上司より高いメニュー頼まないのがマナーだよ!』とか言われて『昼飯くらい好きなもの食べたいんで別会計にしてください』ってグループを離れて席を変えてもらったことがある。」

この投稿は1.2万件以上の「いいね!」がつくなど多くの注目を得て、「上司より高いメニューを頼んではいけない」という「マナー」に対して、賛否両論の声が集まっていました。この記事では、この投稿に関連して、ランチタイムの不満について、さまざまな声を見ていきます。

明文化されていない「マナー」が悩みの種に

SNS上では、この投稿と同じ体験をしたことがあるなど、次のような共感の声が多く見られました。

「これって上司にごちそうになる時を想定したマナーなんじゃないの? マナーというより気を使わせない目安くらいのニュアンスで」
「結構上の上司と初対面とかで行くなら、そういうマナーはありかなと思う。誰かを立てる必要があるときはある」
「このマナーを知らなくて上司より高い定食を頼んだ友人は、大した度胸のある奴だって噂されてたとかあったな」

一方で、ただ上司を立てるために高価なメニューを頼まないようにするということではなく、「おごり」であるかもしれないためにこうした気遣いをしてしまうのでは、と考察する意見もあり、「個別に会計をするのであれば気にする必要はない」という人が大多数のようです。

また、上司や先輩からしても、

「こういう気を使わせたくないからとりあえず高めのランチを頼んで、おんなじの頼む?って一応聞く」
「私は部下にランチをおごる時、店もメニューも好きなの選んでってやってました。そもそも部下とのコミュニケーションを考えてのことなのでマナーを考慮するのはおごる方だと思ってましたが」
「こういうの気にしないでって言ってから自分は値段の高いもの注文してる」

というような投稿が見られ、こうした明文化されていない「マナー」が、上司にとっても部下にとっても悩みのタネとなっていることもあるようです。

意外に深い!? ランチの悩み

2021年4月に株式会社エデンレッドジャパンが行ったアンケート「ランチと仕事の満足度に関する意識調査」によると、仕事中のランチタイムに食べたいものを食べられていないという人は過半数の54%を超えています。その理由の43%は、「お金がかかる・節約しているから」とのことですが、先ほど挙げたような「マナー」もその一因となっているのかもしれません。

また、アンケートを見ていくと、ランチタイムにはさまざまな不満や悩みがあることがわかります。例えば、「ランチを食べる場所」について悩んでいる人は全体の38.1%、「ランチタイムを一緒に食べる人」は23.7%とのこと。

「ランチは一人で食べたい」
「先輩でも、食事は気を遣うので自腹でいい」
「そもそも昼食をとる時間がない」

など、SNS上にはランチへの不満を残した投稿も数多く見つかりました。

また、「ランチに連れ立って行くこと」そのものへの意見も、さまざまなものがみられます。

「会社に同僚は居ても友人は居ない私からすると、昼休みにランチ行くグループ見て、毎日毎日よく話すことあんなーって感心する」
「隣の部署の連中はいつも一緒にみんなでランチ。たまにならわかるが、このコロナ禍でなんで群れないと昼メシも食えないのか理解不能」
「今までは気楽にランチ1人だったのに、これからまた汚い食堂で金魚のフンみたいにみんなでご飯食べるのがクソだるい」

特に「コロナ禍でマスクを外してわいわいすること」と「毎日、同じメンバーでランチに行くこと」の2つに対して、思うところのある人が多いようです。

いずれにしても、満足のいくランチを

先ほどの「ランチと仕事の満足度に関する意識調査」のアンケートでは、満足のいくランチが毎日食べられれば、仕事のモチベーションが「今よりも上がると思う」と半数以上の人が回答しました。ランチタイムが実際に1日の活力になっていると多くのビジネスパーソンが考えていることがわかります。

新型コロナウイルスの影響を受け、誰かと食事をする機会も減り、これまでのランチタイムとは異なった時間を過ごしている人も多いと思われます。その変化の中だからこそ、それぞれが今までの慣習や常識を俯瞰して、自分自身に適した「これからの形」を考える機会になるのかもしれません。

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