大切なのは「純貯蓄」

ここまで貯蓄と負債を見てきましたが、実際に重要なのは純貯蓄と言われるものです。

負債は、貯蓄から返済していくもの。その分については貯蓄から差し引かなければ純粋に手元に残る貯蓄とは言えないからです。

純貯蓄=貯蓄―負債

60代の場合だと、2308万円-78万円=2230万円になります。

60代の純貯蓄を見ても「老後2000万円問題」を十分にクリアしているように見えますね。

老後2000万円問題の落とし穴

しかし、老後2000万円問題には落とし穴が2つあるのです。

住宅費が約1.4万円しか含まれていない

この報告書では持ち家が前提になっており、老後も賃貸で考えている方は30年間の家賃も計算に含めなければなりません。

介護費が含まれていない

この試算には介護費が含まれていないことにも注意が必要です。

LIFULL介護のデータを参考にすると平均入居期間の5年で計算した場合、サービス付高齢者向け住宅で約1000万円、有料老人ホームで約1900万円かかる計算になっています。

あくまで試算ではあるものの、上記の費用を考えると、老後2000万円では少し不安があるかもしれません。