また、地政学リスクにも注意が必要です。アフガニスタンをイスラム主義組織タリバンが制圧しました。これにより、国際テロが活発になる恐れもあります。海外で大規模なテロが発生すれば、株式市場にも大きな影響が出ます。

国内では21日、新型コロナの新規感染者数が全国で2万5400人超と、3日連続で2万5000人を上回っています。国内外とも、なかなか先行きが見通せなくなっているなか、当面は攻めよりも守りの姿勢で臨みたいところです。

200日線を再度割り込み、下値を試す動きに

先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。前週は25日移動平均線を回復、終値ベースで2万8000円台を回復するなど、反発の兆しが見えました。

しかし、先週は週初から窓をあけて下落して寄り付くと、大きな陰線となりました。その後も陰線が続き、金曜日には心理的節目となる2万7000円も一時割り込みました。

今週以降の展開はどうなるでしょうか。チャートの形はよくありません。まず、6月15日の戻り高値以降、これまで何度も上値を押さえられている25日線でまた上値を押さえられました。一時奪回した200日線も再び下回りました。

さらに警戒すべきは、直近の下値メドである7月30日の安値(2万7272円)も割ってしまったことです。このことにより、これまでの6月15日の高値を始点とする短期的な下降トレンドだけでなく、2月16日の高値(3万0714円)を始点とする中期的な下降トレンドも完成してしまいました。

足元では、下降トレンド内での戦い方にならざるを得ません。トレンドのチャネルの上限までの小幅なもみ合いでの上昇を狙っていくのも一つの手法でしょう。ただ、当面は方向感が出づらい動きが続くでしょう。25日線や75日線の回復まで様子を見るほうが安全かもしれません。

下原 一晃