しかし2020年4月からの2021年3月期は、当然ながらコロナの影響を受け減収減益となりました。外出自粛や緊急事態宣言下での時短営業などが影響していますが、それでも牛丼チェーンは元からテイクアウト需要があった分、ファミレスや居酒屋チェーンに比べれば打撃は大きくなかったようです。

なお、7月末に発表された2022年3月期・第1四半期の業績は売上高225.4億円、営業利益▲8.9億円、最終利益10.7億円。コロナ禍が始まった前期第1四半期の売上高212億円を上回ってはいますが、前々期第1四半期の255億円には達しておらず、コロナ以前の水準までの回復には至っていません。

株価については、2018年末に3600円台であったものが、2020年3月期の好調により2020年1月に5000円目前まで上昇。しかしコロナショックによって同年3月には3100円台まで下落し、その後は大きく回復することなく、直近の8月後半は3500円台〜3600円台で推移しています(2021年8月24日15:00時点)。

回復は来期に期待

対象デリバリーサービスを拡大して配達料無料キャンペーンを実施した背景には、終わりの見えないコロナの感染拡大があると思われます。ただ、現状では業績回復への道は険しいと言わざるをえません。同社も今期末の業績予定を未定としています。

やはり復活の肝となるのは実店舗の集客ですが、ワクチン接種率の上昇で感染状況が目に見えて改善されるまでは以前の水準には戻りそうもありません。業績回復は来期に期待したいところです。

参考資料

以下、出所はすべて株式会社松屋フーズホールディングス。

山口 伸