2016年は株式投資家にとっては大変な年だった

2016年は投資家にとって波乱万丈な市場でした。日銀のマイナス金利の副作用による円高と株安、英国の国民投票によるEU離脱、トランプ氏が次期米国新大統領に決定するなど、為替市場を巻き込みながら株式市場が大きく揺れ動いたことは記憶に新しいでしょう。

今回は、そうした市場環境で投資妙味のある銘柄を発掘・推奨し続けているアナリストが、個人投資家向け金融経済メディアLongine(ロンジン)に寄稿した記事をもとに2016年を振り返ります。また、Longine編集部とともに、2017年はどのような銘柄に注目すべきかも考えます。

過去2年、堅調だった小売りセクター

2016年の小売りセクターは、TOPIX-17小売の2016年12月15日終値ベースで見ると年初比で▲5%下落です。ただ、2015年は+29%上昇していますので、2年間のスパンで見れば小売りセクターは堅調と言えるのではないでしょうか。TOPIXは同じ2年間で+10%上昇ですので、小売りセクターはTOPIXをアウトパフォームしています。

とはいうものの、この2年間で順調に株価が上昇した主要な銘柄は、ニトリホールディングス(9843)、ユニー・ファミリーマートホールディングス(8028)、スタートトゥデイ(3092)、ヤマダ電機(9831)に限られてきます。

また、2016年の後半は「リスクオン相場」も重なり、特にユニクロを擁するファーストリテイリング(9983)や百貨店、家電量販店株が上昇しています。

2017年の注目は”小売りの黒田官兵衛”

Longineアナリストが注目する小売株は3銘柄あるのですが、今回はコスモス薬品(3349)について取り上げたいと思います。コスモス薬品はご存知のようにドラッグストアですが、Longineアナリストは面白い見方をレポートで指摘しています。

「コスモス薬品の店舗展開は戦国武将の黒田官兵衛の攻め方に似ている」

どのような点が似ているのかというと、Longineアナリストは以下のようにコメントしています。

「同社は小商圏に大型店舗をドミナント出店し、商圏を完全に抑え込むという徹底した戦略を続けてきた。まず九州で地盤を固め、徐々に中国・関西・中部などへと東進を進めている。ちょうど米国を席巻したウォルマート、あるいは九州から東進を狙った黒田官兵衛にイメージが重なる」

歴史好きな方であれば、本当にそうなのかと検証したくなりますね。Longine編集部の歴史オタクの間でも話題になり、興奮気味なメンバーいたのは印象的でした。

それ以外にも、広島カープによる経済効果の恩恵を受ける銘柄や、グローバルに展開するアパレルメーカーについて改めて注目しています。

>>【参考】2016年のアナリストによる反省と気になる銘柄群(小売セクター編)

小売りで配当や株主優待が魅力的な銘柄は?

小売り企業は株主に対して自社のサービスや商品を提供できることもあり、配当利回りは今一つという銘柄が他のセクターと比べると多いようです。一方で、株主優待では身近な商品やサービスなどを提供していますので、ご自分がよく利用する企業を検討することから始めてみてはいかがでしょうか。

たとえば、先ほど株価好調の例に挙げたニトリホールディングスは、株式保有数によりますが、1枚につき10%割引の優待券を入手することができます。ニトリ愛好家にとっては注目の優待内容ではないでしょうか。

ただし、株主優待だけを目当てに銘柄選択をすると、業績の悪化による株価下落で含み損を抱えてしまうリスクもあります。よって、企業の業績動向もしっかり確認することが必要です。

Longineでは小売りセクター企業を4銘柄推奨しています。企業の業績動向と合わせて株主優待内容をご確認したいという場合には、ぜひ参考にしてみてください。

>>【参考】Longine推奨銘柄の配当利回りと株主優待まとめ(2016年12月22日終値)

まとめ

いかがでしたでしょうか。2017年も2016年同様に波乱の相場展開になりそうな気配があります。慌てないでじっくり銘柄を調査し、自分の引き出しに投資アイデアを収めつつ、株価が大きく下落した際には買い出動ができるようにしたいですね。

機動的に買い出動するためには証券口座はぜひ開設しておきたいところです。証券口座をお持ちでない方は、以下のリンクも参考にしてみてください。ネット証券に口座を開設しておけば新聞をお得に読むこともできます。

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最後に、今年1年ご愛読いただきどうもありがとうございました。2017年も投信1をよろしくお願いいたします。

 

LIMO編集部