マイクロマネジメントは“日本の闇”!?
この調査分析をどう思われたでしょうか。個人的には非常に興味深いものでした。調査レポートでも言及されていますが、2つ目の人材の多様性が増すことは、つまり職場のダイバーシティが進むことです。
価値観や国籍、年代といった多様な人材や働き方の確保は、人手不足の市場においてますます求められていくというのは、多くの人が主張していますよね。
ところが、このダイバーシティの加速が、逆に現場ではマイクロマネジメントを増やしてしまう。ちょっと大げさに言うならば、“日本の闇"を垣間見た気もしました。
やはり、日本では業務のゴールを明確に設定して、そのプロセスは上司と部下が議論しながら進めるといった「信頼・柔軟型」マネジメントは、夢のまた夢ということでしょうか。
だとすると、日本でダイバーシティなんて果たして必要なのか、という気もしてきます。
個人的には欧米型のダイバーシティは、企業の競争優位性の強化が根本にあると考えています。つまり異なった考え方や文化を取り入れることで、ビジネスそのものが進歩・向上するという考え方。
日本のダイバーシティは、“人手不足だし、しょうがないからヤルか"といったことなのでしょうか。
さて、最後に犯人捜しです。個人的には中間管理職の資質のせいにしてしまうのは、誤りの気がします。多分、もっと上位のレイヤーである日本の企業文化に根差した問題だとも思えるのです。
やはり“社内の妖精さん"や“社内失業者"と呼ばれるような人たちが一掃されるまでは、なにも変わらないのかもしれませんね。
参考資料
- 嫌いな上司の特徴ランキング!男女500人アンケート調査(2021年2月2日、株式会社ビズヒッツ)
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「動かない部下」はなぜできる? マイクロマネジメントの科学(2020年4月28日、パーソル総合研究所)
榎本 洋