貯蓄「ゼロ」世帯を回避するには

老後を目前にしたときに、多くの人が目を向けるのは「いかに支出を抑えるか」という点ではないでしょうか。

もちろん、家計のムダを洗い出すことは老後の資金計画をたてる際に役立ちます。しかし一方で、「入ってくるお金を増やす方法はないか」という視点も持ち合わせることが大切です。

資産をつくる手段はいくつかありますが、なかでも「資産運用」を取り入れるかどうかが、老後の資産形成のカギになってくるのでしょう。

近年は、「つみたてNISA」や「イデコ」などの税制優遇制度も登場し、自分の資産形成に役立てようとする人も増えてきています。

ただ一口に「資産運用」とは言っても、金融商品によって投資先はさまざま。ご自身の目標と、ライフスタイルに合った運用方法、金融商品を選択する必要があります。

ここからは、「資産運用」を取り入れるときの3つのポイントを挙げていきたいと思います。

①複利運用

金融商品を選ぶときに、気になるのが「金利」ではないでしょうか。金利には「複利」と「単利」が存在します。

運用年数が長ければ長いほど、複利の効果は絶大です。例を挙げてみましょう。

毎月2万円を利率6%で20年間積立てた場合でシミュレーションしてみると、最終的な合計額は以下のようになります。

【積立元利金合計額】※金融広報中央委員会「知るぽると しっかりシミュレーション」を用いて試算

  • 単利で運用した場合:710万4924円
  • 複利で運用した場合:795万6867円

このように、積立金額は同じでも、合計額に大きな差が出ることが分かりますね。