公務員といえば、昔から安定した職業の代名詞のように言われてきました。たとえば、株式会社クラレが7月上旬に発表した「今春小学校卒業の子どもとその親を対象に行ったアンケート調査結果」でも、公務員は「親が子供に就かせたい職業」の男子で第1位(第2位:会社員)、女子でも第2位(第1位:看護師)になっています。
コロナ禍での経済不安から親の安定志向がより強まっているのかもしれませんが、実際のところ公務員はどのくらいの収入なのでしょうか。今回は公務員の中でも、地方公務員の給与事情に関する調査結果を見てみます。
「公務員給与実態調査結果」に見る給与事情
総務省の「令和2年地方公務員給与実態調査結果等の概要」によると、全地方公共団体の一般行政職の平均給与月額は、平均年齢42.1歳で40万0860円。これは、平均給料31万6993円と諸手当8万3867円を合わせた金額です。
地方公共団体ごとの違い
一口に地方公務員といっても、都道府県、政令指定都市、市、町村、特別区に団体区分が分かれています。そして、給料や諸手当などについては地方公共団体ごとの条例で決まっているため、給与額には差があります。①平均給料月額、②諸手当月額、平均給与月額(①と②の合計)を団体区分別にまとめたのが図表1です。
これを見ると、「平均給料月額」が最も高いのは都道府県の32万4055円(平均年齢42.8歳)、諸手当月額が最も多いのは特別区の12万2883円(同40.6歳)。2つを合わせた「平均給与月額」が最も多いのは指定都市の43万0003円(同41.8歳)。このように、給料、諸手当にはバラつきがあることがわかります。
なお、諸手当月額とは「扶養手当、地域手当、住居手当、特殊勤務手当、時間外勤務手当等の諸手当の額を合計したもの」で「期末手当、勤勉手当、寒冷地手当、任期付研究員業績手当、特定任期付職員業績手当及び災害派遣手当は含まない」とされています。