「貧乏老後」を避ける3つの心得
つづいて、具体的な3つの心得についてお話ししていきたいと思います。
まず1つ目は、家計を見直すことです。
運用が大事とは言え、月々の家計の収支がマイナスならば運用にまわせません。
見直すポイントとして、「生活費」を最初に思い浮かべる方が多いと思います。
しかし、実は盲点になっているのが、「保険の見直し」です。
保険は、ほとんどの方が何かしらの商品に入っているかと思いますが、実は必要以上に毎月払っている方が多いのが現状です。
特に医療保険などは、掛捨てタイプが多いので、今一度必要以上の保障内容になっていないかを確認した上で、不必要な部分を削り、余った分は運用に回すなどの工夫が必要になってきます。
2つ目は、積立で運用を行うことです。
運用というと一括でお金を投資することを想像する方も多いでしょう。
しかし、一括で運用する場合はタイミングによってかなり結果に差が出てしまい、ギャンブル的な要素が強くなります。
積立を行うことで、買付をするタイミングを分散でき、高い価格での購入を防ぐ効果が結果的に期待できます。
また、手元にまとまった資金が無くても毎月の給与から一部を充てることで気軽に始められるのも特徴です。
3つ目は、長期で運用することです。
例えば、金融庁「安定的な資産形成に向けた取組み(金融税制金融リテラシー関連)平成30年11月16日」によるとS&P500は、1980年から2017年の37年間にかけて19.7倍になっていますので、年率になおして計算すると約8.4%で運用出来ていたことになります。
あくまで過去の実績ですが、このように長期で運用することで大きなリターンを期待できるのです。
いかに運用を早く始めるかで、「貧乏老後」を回避できる確率が変わるのは明らかです。まずは専門家に相談するところから始めてみてはいかがでしょうか?
参考資料
- 金融広報中央委員「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和2年)」
- 日本銀行調査統計局「資金循環の日米欧比較」(2020年8月21日)
- 金融庁「人生100年時代における資産形成」(平成31年4月12日)
- 金融庁「安定的な資産形成に向けた取組み(金融税制金融リテラシー関連)平成30年11月16日」
- マネイロ「資産運用はじめてガイド」
佐藤 雄基