年金だけで「ゆとりある老後」は可能なのか

年金の平均額に触れたあとは、老後の暮らしについて少し具体的に考えていきましょう。

みなさんは、どのようなセカンドライフを過ごしたいとお考えでしょうか?

例えば、私は祖父母の生活をイメージします。私の祖父母は、老後の収入は年金のみですが、現役時代に比べて生活水準が大幅に落ちているという印象はありません。毎月趣味のゴルフを楽しみ、年1回は夫婦で旅行もしています。

そんな祖父母を見ていて、私も老後は趣味のバイクに釣りにと、悠々自適に過ごしたいと考えています。

このように、自分の思い描く老後生活をイメージしてから、あらためて前述の年金受給額をながめてみましょう。

厚生年金の平均受給額は、男性でおよそ月16万円、女性で月10万円でした。国民年金の場合は、男女ともに5万円台です。

どのような生活を望むかは人それぞれでしょう。ちなみに、公益財団法人生命保険文化センターの「生活保障に関する調査(令和元年度)」によると、老後ゆとりある生活を過ごすには月々36万1000円が必要である、という結果も出ています。

このように、具体的に老後について考えてみると、自分が理想とする老後生活に、金銭面で黄色信号が灯っていることに気がつく方も多いのではないでしょうか。