皆さんは「70代」と聞くと、どのようなイメージをもたれるでしょうか。
日本では一般的に65歳以上が「高齢者」とされてきましたが、その固定概念は変わりつつあるかもしれません。
ちょっとユニークな一例ですが、神奈川県大和市では、2014年に「60歳代を高齢者と言わない都市 やまと」、そして、2018年には「70歳代を高齢者と言わない都市 やまと」という宣言をしています。
今後は、このような自治体が他にも出てくるかもしれませんね。
そんな時代の流れをみると、70代のみなさんは、まだまだ社会の支え手であるとも言えそうです。
ここまでのお話を逆の目線でみると、老後、公的な保障だけに頼って生活することが、今後もますます難しくなってくるのでは…と感じるのは私だけではないと思います。
私は以前、生命保険会社に勤務し数多くの老後のお金のご相談を受けてきました。今回はその経験もふまえ、超高齢社会の中の「70代の貯蓄格差」について、お話ししていきたいと思います。
定年後70代以降「みんなの貯金額」
さっそく、70歳以上世帯の貯蓄額を、金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和2年)」をもとに見ていきましょう。
70歳以上・二人以上世帯「金融資産保有額」
(金融資産保有世帯)
平均:2208万円
中央値:1394万円
- 100万円未満:5.3%
- 100~200万円未満:5.1%
- 200~300万円未満:3.2%
- 300~400万円未満:3.7%
- 400~500万円未満:3.2%
- 500~700万円未満:8.0%
- 700~1000万円未満:7.7%
- 1000~1500万円未満:14.6%
- 1500~2000万円未満:9.8%
- 2000~3000万円未満:12.8%
- 3000万円以上:23.4%
- 無回答:3.2%
平均値は一部の極端に大きい値に影響されて、数値が大きくなりやすい傾向があります。一方で、中央値は貯蓄額を少ない順、あるいは大きい順に並べたとき全体の真ん中にくる値で、平均よりも実態を反映しやすいと言われています。
よって、ここでは平均の2208万円より、中央値の1394万円のほうが参考にしやすい値といえそうですね。