会社員が加入する厚生年金は、基礎年金に報酬比例部分が上乗せされる、いわゆる「二階建て」の年金です。
保険料および年金額(満額)が一律である国民年金と比べて、報酬比例部分は給与の額、加入期間、生年月日などによって変わってくるので、将来受け取ることができる年金額がイメージしにくいと感じている人は多いと思います。
そこで、上乗せ部分の計算方法、さらに、計算なしで目安を知ることができる早見表を作成しました。ぜひチェックしてみてください。
厚生年金のしくみ
厚生年金保険は会社員や公務員が加入する公的年金です。保険料は給料に応じて決まり、事業主と加入者が折半して負担します。
厚生年金保険の加入者は、同時に国民年金の第2号被保険者となり、年金の受給時には国民年金(基礎年金)に厚生年金(報酬比例部分)が上乗せされて支給されます。【図】のようなイメージですね。
【図】1/2
厚生年金の受給条件は、厚生年金の加入期間が1カ月以上あり、国民年金の受給条件である「保険料納付期間10年以上(免除期間を含む)」を満たしていれば受給できます。受給開始は原則65歳からです。
受給額は現役時代の収入および保険料を納付した月数で決まりますが、物価や賃金水準の変動を考慮するため生年月日ごとの乗率をかけるなど、計算式は少し複雑になります。次項で詳しくみていきましょう。
厚生年金の計算式
収入をあらわす基準として「平均標準報酬月額」と「平均標準報酬額」があります。
平均標準報酬月額は月給の平均額を意味し、平均標準報酬額は月給と賞与を合わせて12で割った額です。平成15年4月を境に給与の計算方法が変わったため、年金額の計算は以下のように分けて計算します。
(1)平成15年3月以前=平均標準報酬月額×7.125/1,000×平成15年3月以前の月数
(2)平成15年4月以後=平均標準報酬額×5.481/1,000×平成15年4月以後の月数
(1)+(2)=厚生年金の年金額(報酬比例部分)
※7.125や5.481という数字は生年月日ごとの乗率であり、ここでは昭和21(1946)年4月2日以降生まれの人の本来水準の乗率を使用しています。
正確な金額を出すためには、過去の給与や勤務期間をさかのぼって把握する必要があります。また、計算も複雑となるので、簡単に目安を知りたい人は筆者作成の「早見表」をご覧ください。
早見表の金額は平均標準報酬額のみを使って計算した概算です。目安を知るための参考としてご利用ください。
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※「厚生年金(報酬比例部分)の受給額早見表」筆者作成
上記は厚生年金の報酬比例部分の受給額なので、実際にはこれに基礎年金が加わります。
たとえば「厚生年金に40年加入し、その期間の平均給与が30万円だった場合」を考えてみましょう。
早見表をみると、報酬比例部分の受給額の目安は78万9000円です。基礎年金は満額(※)受給できますので、これらを足すと約157万円の年金額となります。
※令和3年度の国民年金(老齢基礎年金)の満額は78万900円(年額)です
正確な年金額を知りたい人は
給与の額は勤務年数に応じて増えていくなど、加入期間を通して一律ではない場合が多いと思います。また、間をあけて転職したり、仕事を離れたりした場合、厚生年金の加入期間にブランクができます。
そうした年金額の計算に必要な報酬や期間を正確に把握することはなかなか大変です。そこで、「ねんきんネット」および年に1回届く「ねんきん定期便」を確認しましょう。
ねんきんネットでは保険料を納めた月の詳細な記録や年金見込額の試算、追納可能月数と金額も確認できます。
【日本年金機構「ねんきんネット」】
ねんきんネットを利用するには、最初に新規登録をします。その際、年金手帳などに記載されている「基礎年金番号」が必要です。ねんきん定期便が手元にある場合は、そこに記載されているアクセスキーを利用すると迅速に登録ができます。
申し込み画面に必要事項を入力すると、アクセスキーがある場合は登録したメールアドレスに24時間以内にユーザーID確認メールが送られてきます。そこで承認をすれば完了です。
アクセスキーがない場合は、申し込み後、5営業日ほどでハガキが送られてくるので、そこに記載されているユーザーIDによって登録を完了します。
厚生年金の保険料は事業主と折半で負担しますが、年金は基礎年金に厚生年金が上乗せして支給されます。そのため、年金額を増やすためには厚生年金に長く加入することが効果的といえます。現状、どのくらい年金がもらえるのか、このまま今の仕事を続けていけば、将来の見込額はいくらになるのか、ぜひこの機会に確認してみてくださいね。
参考資料
石倉 博子
