当然ですが、すべての情報はデジタル化して登記担当と戸籍担当が自由に見れるようにしましょう。所有者情報はマイナンバーを使って名寄せをすれば簡単に見つかるはずですから。

これに対しては、マイナンバーは税務署等の限られた部署しか使えないといった規則が障害となり得ますが、そのような規則は撤廃すれば良いのです。

国民が政府に無闇に情報を握られたくないというのは当然のことですが、政府の一部が持っている国民の情報を他の政府部門に知られないように制限したいというのは、「政府は非効率であって欲しい」ということです。これは合理的ではないと思います。

10万円の特別定額給付金の交付に際しても、マイナンバーを使った効率的な配布ができれば良かったと思いますし、持続化給付金の詐欺事件も、税務署が持っている前年度の所得の情報が共有されていれば起きなかったと思います。

政府をデジタル化して効率化することと、政府に監視されないようにするのは別のことです。不動産を相続したのに登記していない人がいることで行政手続きが滞るのであれば、政府が持つ登記情報と戸籍情報を突き合わせるのは当然のことであり、その作業の効率化のためにマイナンバーの利用が有効ならば、使うべきです。国民がこれを拒否する理由はないでしょう。

本稿は以上です。なお、本稿は筆者の個人的な見解であり、筆者の属する組織その他の見解ではありません。また、厳密さより理解の容易さを優先しているため、細部が事実と異なる場合があります。ご了承ください。

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塚崎 公義