政府は、こうした事態に対処するため法律を改正して相続登記を義務化しましたから、今後発生する相続についてはきちんと登記がなされると期待していますが、すでに所有者が不明な土地も多いですし、問題が簡単に解決するわけではなさそうです。

未登記の土地は政府が利用できる制度を

こうした問題に対処するためには、相続登記のみならず、すべての土地の登記を義務化した上で、登記簿から所有者が特定できない土地については政府が必要に応じて利用して良いという制度を作るべきでしょう。

現在でも土地収容法などがありますが、手続きが面倒なようです。そうではなく、登記義務を怠っている側に問題があるわけですから、政府が必要に応じて利用してしまって良いということにするわけです。

所有者が「この土地は勝手に使わせないから、元に戻せ」などと文句を言ってきても認めないということですね。まあ、土地の所有権は政府に移した上で、土地代は払ってあげれば良いでしょう。どうせ高価な土地ではないでしょうから。

「権利の上に眠る者は保護されない」というのは民事時効の根拠とされる考え方ですが、所有している土地を義務に反して登記していない所有者の所有権は保護に値しない、と考えるべきだというわけです。

登記担当と戸籍担当の情報共有が重要

相続登記を確実に実行させるためには、相続が起きた事実を登記担当が知る必要があります。そのためにはすべての不動産が誰の所有になっているかを戸籍担当が知っている必要があり、死亡届けが提出されたら直ちに所有不動産について登記所に連絡をする必要があるわけです。