「老老格差」の貯蓄事情
残念ながら、老老格差は現実に起こっている事実のようです。では、格差が生まれる背景には、どのようなことが考えられそうでしょうか。
次は60代のみなさんがどのような資産を保有しているのか「平均値」を紐解いていきましょう。
60代・二人以上世帯の種類別金融商品保有額
(金融資産を保有していない世帯を含む)
金融資産保有額…1745万円
預貯金(うち運用または将来の備え)…959 万円
・うち定期性預貯金…585 万円
生命保険…286万円
株式…144万円
個人年金保険…134万円
投資信託…96万円
債券…45万円
損害保険…39万円
財形貯蓄…27万円
金銭信託…5万円
その他金融商品…11万円
ほとんどの資産が預貯金で保有されていることがわかる反面、割合は少ないものの生命保険や株式、投資信託などを保有しているという結果を見て取れます。
預貯金の低金利が続く昨今、資産を分散して効率よく貯蓄・運用できているかも、老後の運命を分ける1つの要因となりそうですね。
しかし、「ならば、さっそく資産運用をはじめよう!』と、かんたんにスタートできる人は多くないのが今の日本の現状のようです。
日本人の金融リテラシーの現状を物語る結果が、日本銀行調査統計局「資金循環の日米欧比較」(図表2「家計の金融資産構成」)の中にありました。
下記は、家計の現金・預金が占める割合となります。
- 日本…54.2%
- 米国…13.7%
- ユーロエリア…34.9%
この結果を裏返せば、やはり大多数の日本人が金融資産をまだまだ上手に使い分けることができていない、とも言えそうです。