今週は重要指標の発表もいくつか予定されており、7月1日には6月の米サプライマネジメント協会(ISM)の製造業景況感指数、2日には6月の米雇用統計が発表されます。

雇用統計の結果によっては、テーパリングの議論が始まるとの見方が広がる可能性があります。その点では、今週は様子見になることも考えられます。

75日線回復を再度試す動きへ

先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。先週は週初から大きく窓をあけて下落して寄り付くと、そのまま長い陰線となりました。ただ、引けにかけては長い下ヒゲも付きました。結局、翌日から週末にかけて、往って来いのような形で下落分を戻しました。

今週以降の展開はどうなるでしょうか。先週初には25日移動平均線も割り込んだことから一時はヒヤリとしましたが、その翌日には25日線を回復、さらに週末にはローソク足の実体が75日線にかかるまで戻しました。

現状は、上は75日線に押さえられ、下は25日線にサポートされるような形になっています。ただ、6月21日の大幅な下落でも安値は27,795円であり、直近の下値メドである5月13日の安値(27,385円)までは下げませんでした。そういう点からも、下値は限定的ではないかと考えられます。

上値メドとしては、心理的節目となる29,000円、さらには、6月15日の高値(29,480円)、5月10日の高値(29,685円)あたりになります。ちょうど75日線が29,000円付近にかかっています。

ここを超えると、もう一段上のステージに上がりそうです。そういったこともあって、今週は75日線を回復できるかどうかが一つのポイントになります。

このところ方向感が出しづらい展開が続いています。判断が難しければ75日線を回復するまでは様子見でもいいでしょう。75日線を回復し、下値の堅さが確認できれば積極的に上目線で付いていきたいところです。

下原 一晃