次に東京都産業労働局「中小企業の賃金・退職金事情」より、大学卒のモデル退職金(調査産業計)を見ていきましょう。
退職金支給額(会社都合退職)
- 勤続3年(25歳):34万6000円
- 勤続5年(27歳):60万3000円
- 勤続10年(32歳):148万3000円
- 勤続15年(37歳):266万円
- 勤続20年(42歳):425万円
- 勤続25年(47歳):598万円
- 勤続30年(52歳):785万6000円
- 勤続33年(55歳):915万3000円
- 定年:1118万9000円
退職金支給額(自己都合退職)
- 勤続3年(25歳):23万1000円
- 勤続5年(27歳):42万3000円
- 勤続10年(32歳):113万5000円
- 勤続15年(37歳):214万9000円
- 勤続20年(42歳):353万4000円
- 勤続25年(47歳):524万3000円
- 勤続30年(52歳):705万9000円
- 勤続33年(55歳):835万9000円
自己都合による退職の場合は、当然ではありますが、定年退職と比較すると退職金額は低くなります。
勤続年数と退職金額の積み上げはほぼ連動する関係にありますので、短期での転職は「退職金」という面だけを考えると不利であるといえそうです。
また、企業によっては退職金支給の対象となる、最低の勤続年数が決められている場合もあります。転職のタイミングを検討する場合、そんな点も一つの目安と考えてもよいかもしれません。
先の見えないキャリアパス「退職金に頼らない」方法とは
現在の勤務先で定年退職まで勤め上げるか、転職して新天地でキャリアを積むか。
ときに、それは運とタイミングの問題でもあります。必ずしも、ご自身の希望通り、また事前の計画通りにキャリアを積んでいけるとは限らないでしょう。
そうなると、今の勤務先で定年まで勤め上げることを前提として退職金を計算することは、「とらぬ狸の皮算用」となる可能性も高く、マネープランニングとしては不安な要素が強くなります。
退職金の制度自体を見直し、従業員自身で運用を行う「企業型確定拠出年金」にシフトする企業も増えています。
不明確な要因の多い退職金に頼らない解決策を自分自身で見つけていく必要がありそうです。企業退職金を積み上げていきつつも、ご自身で「老後資金」を準備していきましょう。
預貯金や保険商品、そして資産運用をバランスよく取り入れながら、効率よくお金を育てていかれることをおすすめします。