50歳代世帯の貯蓄事情「平均値からは、見えないこと」

さきほどまでは、40代・50代世帯の「貯蓄と負債」について触れました。

しかし、平均値だけでは「どのくらいの世帯」が「いくらくらいの貯蓄」を持っているかを知ることは不可能です。

各世代には一定の割合で「貯蓄100万円未満」の世帯が存在します。逆に「2000万円」「4000万円」以上を持つ世帯もあります。

ここから50歳代の貯蓄額の分布を、グラフで見ていきます。

40歳代・50歳代の貯蓄現在高階級における世帯数(抽出率調整済実数)をまとめたグラフより、二つの世代の貯蓄額の分布を比較していきます。

50歳代世帯の「貯蓄額分布」

(出典)家計調査報告 貯蓄・負債編 2020年(令和2年)平均結果の概要 (二人以上の世帯)詳細結果表 第8-30表より編集部作成


50歳代世帯の貯蓄分布をみると、「1000万円以上」の世帯の割合は51.9%にまで上がっています。さらに、「2000万円以上」の世帯の割合も28.0%にまで上昇しています。

とはいえ「200万円未満」の世帯が14.9%、さらに「3000万円以上」の世帯が16.6%あります。

ちなみに40歳代で「3000万円以上」の貯蓄がある世帯の割合は7.5%です。割合としては飛躍的な伸びであるといえそうです。