株式市場は年末ラリーとも言える状況です。日経平均の1万8,000円超えが定着してきた今、次の相場展開がどうなるか関心のある個人投資家の方も多いのではないでしょうか。

そこで、足元の株価動向の特徴と、それらの配当や株主優待について個人投資家向け金融経済メディアLongine(ロンジン)編集部に聞きました。

株式投資の3大醍醐味

――まず初めに、そもそもの株式投資の魅力について教えてください。

Longine編集部(以下、Longine):株式投資の醍醐味は、やはり値上がり益と言えます。ただ、株式投資の良いところはそれだけではありません。値上がり益の他に、安定した業績から株主に支払われる配当や各社独自の株主優待なども魅力でしょう。

しかし、これらの恩恵を長期にわたって受けるためには、ビジネスモデルが確立した業績の良い銘柄を保有することが重要です。

株価は将来の会社業績が重要ですが、過去の実績を見ていくことでも様々な分析の切り口を与えてくれます。世界でも著名な投資家ウォーレン・バフェットも、過去実績を分析することの重要性を説いています。

どのような銘柄の値動きが良いのか

――現在の相場ではどのような銘柄の値動きが良いのでしょうか。

Longine:トランプ相場が始まり、為替相場が円安に振れたこともあり、輸出関連銘柄が反応したというのが1つのポイントです。また、エネルギー価格の上昇により、化学セクターの銘柄が大きく反転しています。Longineの推奨銘柄でも化学セクターの銘柄の値動きが堅調です。

――では、化学セクター銘柄の配当や株主優待はいかがでしょうか。

Longine:化学セクターの銘柄、特にLongineで推奨している銘柄については時価総額の大きな銘柄も中程度の銘柄も配当利回りが1~2%程度あり、マイナス金利環境では魅力的な水準です。

ただし、化学セクターの企業は株主優待制度を提供していない会社が多いので、それを期待している投資家であれば別のセクター、たとえば小売りセクターの銘柄を検討するのが良いと思います。

>>【参考】Longine推奨銘柄の配当利回りと株主優待まとめ(2016年12月2日終値)

2017年はどのような年になるのか

――2017年の相場環境についてはどのように考えればよいのでしょうか。

Longine:2017年は、実はマクロイベントが少ない年です。1月にトランプ氏が米国大統領に就任するのが大きなイベントで、その政策に注目が集まるでしょうが、他にはそれに匹敵するほどのイベントはないと言っていいでしょう。

したがって、投資家の目が様々な経済イベントに分散しがちになりそうです。そうなると、相場が不安定になるリスクもあり、株式投資をされる場合にはこれまで以上に銘柄選定に注意が必要になると思います。

AIやIoT、ロボットといった既に注目された投資テーマに再度注目が集まる可能性もありますが、テーマとしては目新しさには欠けるでしょう。今後は、そうしたテーマで実際に収益が出る銘柄を選んでいけるようなアプローチが必要となると思います。

>>【参考】2016年株式市場振り返りと2017年のイベントに見る株式市場の投資テーマ

――ありがとうございました。

 

LIMO編集部