「自動車事故死をゼロにするために、時速20キロ以上で走れないように自動車を改造しろ」という話は聞かれませんし、「インフルエンザで亡くなる高齢者は少なくないのだから、冬の間はステイホームしよう」という話も聞かれないわけですから。
その意味では、新型コロナは新しい感染症なので人々が過度にリスクを気にしている、ということなのかもしれませんね。そのあたりは感染症の専門家ではないので、筆者には断言はできませんが。
ただ、ステイホームの弊害を過小評価すべきでない、ということは強調しておきたいと思います。
出会いが減ると少子化に
ステイホームの負の影響としては、消費が減って景気が悪化する、といった経済面での影響のほかに、孤独に悩む人が増えるとか高齢者の認知症が進むとかDVの被害が増えるとか、色々言われています。
数値化できない弊害ですが、これも自粛要請の可否を考える際には考慮していただきたい要因です。
あまり言われていないのですが、筆者が大きく懸念しているのは、少子化です。昨年の出生数が大きく減少したと報じられていますが、婚姻数の減少の影響も深刻でしょう。タイムラグを伴って出生数がさらに減ることが懸念されます。
ステイホームによって出会いが減っているので、これが将来の婚姻数、出生数を大幅に減らすのではないか、という懸念は、さらに深刻かもしれません。
昭和の時代には、「出会いがなければ見合いをすれば良い」ということも言えたのかもしれませんが、今では出会いがないと生涯未婚となる可能性が高いでしょうから。