60代といえば、仕事や子育てもひと段落し、本格的なセカンドライフに入る方が増える時期ですね。
そのまま働き続けるか、引退して年金や貯金を頼りに生活していくか、迷われる方もいらっしゃるでしょう。
実際に、60代時点での貯蓄額は「そのまま働く」か「働くことを辞めるのか」という判断に影響しているのでしょうか?
私は10年以上大手金融機関で勤めておりました。その経験を踏まえ、60代以上「無職世帯」と「働く世帯」の貯蓄額の差に着目しながら、老後に必要なお金について考えていきたいと思います。
60代以上、無職世帯と働く世帯の割合は
総務省統計局が公表する「家計調査 貯蓄・負債編ー二人以上の世帯ー(2020年)」の第8-10表から、「働く世帯」と「無職世帯」の世帯数分布(1万分比))を確認しました。
※なお、ここでは「60歳以上の者がいる世帯」を1万世帯と定義しています。
世帯主が60歳以上:9168世帯
<内訳>
- 無職世帯:5775世帯
- 無職世帯を除く勤労者以外の世帯:1220世帯
- 勤労者世帯:2173世帯
世帯主が65歳以上:7446世帯
<内訳>
- 無職世帯:5473世帯
- 無職世帯を除く勤労者以外の世帯:947世帯
- 勤労者世帯:1026世帯
世帯主が70歳以上:5469世帯
<内訳>
- 無職世帯:4405世帯
- 有業世帯:1064世帯
世帯主が75歳以上:3220世帯
<内訳>
- 無職世帯:2838世帯
- 有業世帯:382世帯
では、さきほどのデータをもとに、世帯主の年齢別の無職世帯の割合を出してみます。
- 世帯主が60歳以上の世帯:63.0%
- 世帯主が65歳以上の世帯:73.5%
- 世帯主が70歳以上の世帯:80.5%
- 世帯主が75歳以上の世帯:88.1%
※小数点2桁以下は四捨五入しています。
定年後の再雇用も含め、シニア世代が働く環境も整備され始めてはいます。しかし現状を見ると、60歳以上の方の世帯では退職して過ごす方が多いようです。