社会保障制度を脅かす急速な少子高齢化
今回の法改正の背景をここからみていきます。
「日本は少子高齢化が進んでいる」というのは聞いたことがあると思いますが、実は世界の中でも飛びぬけて急速に進んでいます。
財務省によると、2014年において、日本の総人口は1億2708万人。そのうち65歳以上の方は3300万人です。
65歳以上の方ひとりを20~64歳の方2.2人が支えていることになります。
ところが2022年度以降、団塊の世代が65歳となり、基礎年金の受給がはじまることなどから、社会保障の給付金は増大することが見込まれています。
さらに2025年には、65歳以上の方の人口は3657万人になると推計され、65歳以上の方ひとりを20~64歳の方1.8人で支えることになると予想されています。
そのうえ、2040年には、第2次ベビーブーム世代(1971年~74年生まれ)全員が65歳以上となります。
一方、その間、20~64歳人口は急速に減少し、2040年以降も減少が続くことが見込まれています。つまり、支えなければいけない高齢者が増え続けるのに対し、それを支える現役世代は減り続けるのです。
こうした状況を踏まえ社会保障、とりわけ費用の大きい医療分野をどう見直していくかが喫緊の課題となっているのです。
上記を踏まえると、今回の法改正でどれだけ現役世代の負担が軽減されるかが重要なポイントであることがわかります。
それでは、今回の法改正で医療財政にはどのような影響があるかを見ていきます。