日本企業は”脱中国化”に及び腰? 経済安全保障との向き合い方

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経済安全保障への危機感が薄い?

経済安全保障の議論の中には、バイデン政権が脱中国のサプライチェーン強化を進めているように、半導体など重要品目の国産化や脱中国化の話も出てくる。

ただ、それに関係する経済活動従事者たちからは、「多少の制限やリスクがあったとしても、停止すれば経営的損害が計り知れない」「撤退や規模縮小、生産・製造拠点の移転、調達先の変更・多角化は、そんな簡単な話ではない」との声が多く聞かれる。

海外に展開する企業が直面するリスクは多様だ。それは、現地の労働・雇用リスク、生活・文化リスク、法務リスク、治安リスク、情報システムリスク、感染症・医療リスク、自然災害リスクなど多岐にわたる。

また、各企業によって、さらには進出先や時期によっても、どんなリスクがあるかは大きく異なるだろう。

経済安全保障リスクもその1つ。企業の経済活動において経済安全保障は1つのファクターとして考えられるべきものであり、撤退や縮小などを促す万能薬ではない。

しかし、国家間の競争が経済や貿易の領域で行われ、それが今後さらに激化する恐れも指摘されるなか、各企業は経済安全保障の動向をこれまで以上に危機管理意識を持って注視していく必要があろう。

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和田 大樹

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執筆者

清和大学講師/ オオコシセキュリティコンサルタンツ アドバイザー、岐阜女子大学特別研究員、日本安全保障・危機管理学会主任研究員を兼務。専門分野は国際政治学、安全保障論、国際テロリズム論。日本安全保障・危機管理学会奨励賞を受賞(2014年5月)。共著に『2021年 パワーポリティクスの時代―日本の外交・安全保障をどう動かすか―』(創成社)、『テロ、誘拐、脅迫 海外リスクの実態と対策』(同文館2015年7月)、『「技術」が変える戦争と平和』(芙蓉書房2018年9月)など。研究プロフィールはこちら