新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン接種が進む様子を、連日報道で耳にします。

長く続いた感染拡大が、いよいよ収束に向かうことを期待したいところですね。

このコロナ禍は我々に様々な苦難をもたらしました。職種や業種によっては収入が激減し、将来のための貯蓄を切り崩す辛い日々を送られている方も多いでしょう。

そんな中、国や地方公共団体の仕事に従事する公務員は収入が安定していてうらやましい、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

私は以前金融機関でマネーセミナーの講師やマネープランニングのアドバイザーをしており、約1000人以上のお金の相談を受けてきました。

お金の相談では、貯蓄の目的を伺うと「老後資金を貯めたいから」と答えられる方が多くいらっしゃいました。

老後資金というと、退職金などで一足飛びに準備をされる方も多いですが、退職金の金額も安定の公務員と民間企業とでどのような違いがあるのかも気になるところです。

そこで今回は、「国家公務員」と「地方公務員」の退職金事情を見ていきながら、民間企業の退職金と比較していきたいと思います。

国家公務員の退職金、いくらくらいもらっているのか

さいしょに、省庁をはじめ国の機関で働く「国家公務員」が、どのくらい退職金をもらっているのかを見ていきましょう。

内閣官房内閣人事局が公表している「退職手当の支給状況(令和元年度退職者)」より「退職理由別退職手当受給者数及び退職手当平均支給額」を抜粋します。

常勤職員

  • 定年:2090万6000円
  • 応募認定:2588万1000円
  • 自己都合:316万1000円
  • その他:201万6000円

うち行政職俸給表(一)適用者

  • 定年:2140万8000円
  • 応募認定:2278万円
  • 自己都合:362万7000円
  • その他:265万8000円

国家公務員は、退職事由が「定年」や早期退職制度に基づく「応募認定」の場合、受け取る退職金は2000万円以上となっています。