人権問題を重視するバイデン政権下の米中対立においては、ウイグル人権問題に由来する経済的影響も長期化するだろう。少なくともあと4年、2期目となれば8年、さらにはバイデン政権の後に同じく人権問題を重視する政権が発足するかもしれない。

そして、中国を最大の競争相手と位置づける米国のスタンスは、民主党・共和党問わず超党派的なものであり、米中対立が長期的に続くというスタンスで日本企業の経営者たちは経済安全保障を考える必要があろう。

貿易制裁が太陽光発電関連にも及ぶ恐れ

折しも、バイデン政権で気候変動問題を担当するケリー大統領特使は5月、人権侵害が指摘される中国のウイグル問題に言及。

温暖化対策に欠かせない太陽光発電パネルの材料生産がウイグルでの強制労働により行われている恐れがあるとして、同製品を貿易制裁対象に指定するかどうか検討していると明らかにしている。

ウイグル問題を巡ってさらにその適用範囲が拡大することを意味しており、今後は太陽光発電関連製品を巡って日本企業の経済活動に影響が出てくる恐れもある。

和田 大樹