現役世代が高めたい「貯蓄への意識」
さらに同調査では「金融資産が1年前よりも減少した」と回答した70代世帯の割合は31.1%にものぼっています。
減少した主な理由は下記の通りです。
- 「定例的な収入が減ったので金融資産を取り崩したから(40.2 %)」
- 「耐久消費財(自動車、家具、家電等)購入費用の支出があったから(35.9 %)」
老後は、貯金を取り崩さないと生活が難しいのかもしれません。
既に老後生活に入っている70代以上の「老後のひと月当たりの最低予想生活費」は31万円との調査結果も出ています。 決して低くはない金額です。
「老後の生活に入ってから、すぐに預貯金を切り崩してしまった・・・」こんな状況ですと、「豊かな暮らし」の実現は少し難しいかもしれませんね。
老後格差が不安なら早めにプロに相談しよう
ここまで、70代以上の方の貯金額や内訳などをチェックしてきましたが、同世代の間に大きな「老後格差」が生じていることがわかりました。
現役世代の方の中には、「老後はのんびり暮らせるだろう」と楽観的に考えている方もいらっしゃるかもしれませんが、老後を安心して暮らせるかどうかは、これまで積み重ねてきた貯金や退職金などが大きく関係します。
老後になってから後悔しないように、資産形成はなるべく早めにスタートさせたいものです。
ただ、いきなり資産形成と言われても、ピンと来ない方も多いのではないでしょうか。餅は餅屋、お金のことはプロに相談してみましょう。
参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和2年(2020年)調査結果」
- 金融審議会市場ワーキング・グループ「高齢社会における資産形成・管理」
齊藤 慧