60代の貯蓄「前年より増えた」わずか1割

60代は退職金と年金、ダブルで収入があり、住宅ローンや教育費もほぼ払い終わっている年代。老後もさぞかし安泰だろう......そのように思っている人は案外多いかもしれませんね。

ただ、思ったより現実はシビアです。同調査より、「資産が前年度と比較してどうなったか」を60代にフォーカスしてみていきましょう。

  • 増えた・・・21.5%
  • 変わらない・・・40.0%
  • 減った・・・32.9%
  • 無回答・・・5.5% 

「増えた」と答えた人が約2割であるのに対し、「減った」と答えた人はその1.5倍に近い約3割となっています。

それでは「増えた人」、「減った人」の主な理由もみていきましょう。

資産が「増えた」理由 上位3つ

•定例的な収入から貯蓄する割合を引き上げたから・・・30.0% 
•定例的な収入が増えたから・・・27.1%
•相続、退職金等による臨時収入があったから・・・15.7%

資産が「減った」理由 上位3つ

•定例的な収入が減ったので金融資産を取り崩したから・・・48.6%
•耐久消費財(自動車、家具、家電等)購入費用の支出があったから・・・31.8%
•株式、債券価格の低下により、これらの評価額が減少したから・・・27.1% 

資産が減った理由の実に半分が、「定例的な収入が減ったので金融資産を取り崩したから」とのこと。定年退職によって定期収入が減り、貯蓄を切り崩さざるをえない人が多いことがわかります。

では、年金収入と退職金だけで生活費をまかなうのは難しいのでしょうか。