「保育園は入れるだけでラッキーな地域。保育の質までは追求できないのが現実です。ここまでして働く必要ある?って相当悩みました」

Nさんは結局、転園願いを出しながら、第5希望の保育園に子供を通わせているそうです。親が子供の食べ物や着るものを選ぶように、仕事に復帰するときの預け先も自由に選べる日はまだ遠いのかもしれません。

「子供がかわいそう」と言われたとき

Fさんは出産後、フルタイムで出版社の編集部に復職。日々、締め切りを抱えながら激務をこなしています。復帰後も出産前と変わらぬパフォーマンスを仕事で発揮できている自分に誇りを持っていたFさん。しかし、夫の口から飛び出したある言葉に、働く意義を見失いかけたと言います。

「子供が熱を出した日も、病児保育を利用して仕事に行っていました。夫は元々そこまで仕事をがんばらなくてもいいんじゃない?っていうタイプだったんですけど、熱でグズる子供を預けて仕事に行く私を見て『さすがにかわいそう』と言われてしまって。

コロナのこともあって、よけい心配だったんだと思います。子供を泣かせて、夫にも共感してもらえず、私は一体何をしてるの?と自分がやっていることの意義を見失いました」

夫の「かわいそう」発言を受け、なかばケンカになりながら夫婦で話し合ったFさん。その中で、Fさん自身も、もっと子供と一緒にいたいと思いながらも、仕事のパフォーマンスが下がってしまうことが怖くて無理をしていたことに気がついたそうです。

今では仕事の量を調節しながら、スケジュールが許す限り在宅勤務やフレックス勤務に切り替えたとのこと。働くことは相変わらず大好きですが、自分の本音にフタをしなければならないほど余裕のない働き方からは、脱却できたそうです。