即戦力を求めて中途採用に注力する企業が増えているようです。働く側にも、経験やスキルを武器に転職、さらには独立・起業を意識する動きが高まっています。
一つの会社に定年まで勤め上げる、昭和の時代にモデルケースであった働き方。今やこれは選択肢の一つではあるものの、主流ではないといってよさそうですね。
長引くコロナ禍。ご自身の仕事や家計の収支はさることながら、長期的なマネープランについて掴みどころのない不安を感じていらっしゃるご家庭は少なくないはずです。
サラリーマンにとって、「退職金」は、ときにその後のライフプランを左右する大型収入といえるでしょう。とりわけ、定年退職時に受け取る退職金の金額は、公的年金とともに老後の生活を支える柱となるものです。
老後に必要なお金は2000万円、ないしはそれ以上ともいわれます。退職金をあてれば貯蓄目標額を達成できそう、と試算される方も多いでしょう。
そこで今回は、会社員退職金について、勤続年数との関係にフォーカスしながらお話をしていきます。
いまの退職金事情
日本経済団体連合会が2年ごとに実施している「退職金・年金に関する実態調査結果」(2018年9月度)から、学歴別の標準者退職金(学校卒業後直ちに入社し、その後標準的に昇進・昇格した者を対象に算出)を抜粋します。
標準者退職金
大学卒(総合職):2255万8000円
高校卒(総合職):2037万7000円
高校卒(生産・現業):1817万2000円(退職金額は、退職一時金のみ、退職一時金と年金併用、退職年金のみの場合の額を合算し、単純平均したもの。また、各項目で集計企業数が異なります)
ここでいう標準退職金は、「学校卒業後直ちに入社し、その後標準的に昇進・昇格した者」、つまり新卒で就職後、順調に勤めあげたケースで受け取る金額の目安です。
総合職は大学卒、高校卒ともに2000万円を超えています。高校卒の生産・現業は2000万円に届いていませんが、2000万円に近い金額となっていますね。