厚生年金:「遺族厚生年金」を知る

会社員や公務員など、国民年金の第2号被保険者で一定の条件を満たす人が亡くなった場合、その人によって生計を維持されていた家族が受け取れる年金です。

遺族厚生年金を受け取れるケース

●亡くなった人に生計を維持されていた「配偶者」、「子・孫」、「父母・祖父母」

  • 妻…夫の死亡時に30歳未満でかつ子のいない妻は、5年間の有期給付
  • 夫…55歳以上。遺族基礎年金を受給中の場合に限る。
  • 子・孫…「18歳になる年度の末日を経過していない」もしくは「20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級」
  • 父母・祖父母…支給開始は60歳から

遺族厚生年金の実際の金額は現役時代の収入が反映されます。日本年金機構のホームページ内にある「遺族厚生年金(受給要件・支給開始時期・計算方法)」でシミュレーションができます。

遺族厚生年金「妻が遺されたら・・・」

では、最も多いパターンである「妻が遺された場合」の注意点をご紹介します。「遺族厚生年金」に関して、妻が遺された場合は下記の点も知っておきましょう。

妻が65歳以上の場合

妻が65歳になると中高齢寡婦加算は支給停止となり、自分自身の老齢基礎年金が支給されます。妻が専業主婦であった場合、「遺族厚生年金」と「妻の自身の老齢基礎年金」を受給することになります。

妻が65歳から老齢厚生年金を受給する場合

妻自身に厚生年金に加入していた期間があると、自分の老齢厚生年金が優先的に支給されます。自分の老齢厚生年金のほうが遺族厚生年金よりも多いと、遺族厚生年金は全額支給停止となります。

妻が40歳以上65歳未満の場合

夫の厚生年金被保険者期間が20年以上あって条件を満たす子どものいない妻には、遺族厚生年金に加えて「中高齢寡婦加算」が支給されることがあります。

参考:日本年金機構「遺族厚生年金を受けられるとき」「遺族厚生年金(受給要件・支給開始時期・計算方法)」